昨日幕を閉じた大垣記念は千葉の石井秀治選手の嬉しい記念初優勝となりました。

この優勝はもちろん石井選手の実力が一番ですが、前の仕事を一生懸命務めた近藤選手や後ろをしっかり固めた新田・林・萩原の各選手の活躍も見逃せません。特に南関のまとめ役となった新田選手の力は大きいように思います。

セーナさんが決勝前日に南関勢のコメントを載せて、御自身の展開を披露したコラムを掲載されてました。

そのコラムの中の南関勢のコメントの裏には「今でも前で一生懸命頑張る新田さんの言うことなら」「今南関で最も脂が乗っている石井に記念のタイトルを取らせてあげたい」「南関を活性化させたい」って思いが詰まったように感じました。(石井選手、近藤選手以外は記念ホルダーということも大きいとは思いますが…)

今では南関の支柱的存在の新田選手。

そんな新田選手を自分は嫌悪していた時期がありました。

それは今から20年ほど前。
記念競輪前後節制で、今は無き花月園記念競輪菊花賞決勝。
南関勢はこの大垣記念と同様5人決勝に駒を進め、岐阜の浜口選手と大阪の金田健選手、福岡の紫原選手と熊本の西尾選手

南関勢は新田選手と地元神奈川の高木隆選手、川越義明選手、そして花月園をホームとする関根幸男選手、小林覚選手。

南関勢の布陣は新田-関根-高木-小林-川越だったように思います。

花月園がホームバンクで南関の為に一生懸命前で頑張る関根選手に遂に悲願の記念優勝が地元で達成に違いない。
後ろは鉄壁ですし、前の新田選手だって関根選手の功績は十二分に分かっているはず。
新田選手のやることはただひとつ。
それさえ全うすれば、関根選手の優勝‼


久々に大勝負に挑みました！

結末は…
関根選手の位置が狙われて、新田選手が猛追の紫原選手を凌いでの優勝でした。(展開は曖昧です…スイマセン)

勝負に負けたのはもちろん悔しいですが、それ以上にあんなに南関のみならず、他地区の後ろだって信頼して思い切って風を切る関根選手に女神は微笑んでくれなかったのか。
それが自分は本当に悔しかったです。

当時神奈川の重鎮の星川選手もレース後のコメントで「南関の競輪場で南関選手が優勝できたのは良かったが…」というニュアンスで心中複雑なことを感じさせる発言でした。

新田選手は勝つべきレースをしたのですから非難されることは無いのですが、自分はそのレースから新田選手を嫌悪するようになりました。

そのレースの後も他の競輪場の記念やS級シリーズでも大活躍。

同県の渡邊晴智選手同様注目され、南関で特別に近い選手との評価をされてました。

ただその頃の新田選手はラインというよりも自分が自分がというレースが多かったように感じてました。
(自分には花月園の怨みがあるから、ネガティブに捉えている面も否定できませんが。)

その約10年後
新田選手はサマーナイトで準特別ですがタイトルを奪取。
同時期に晴智選手もダービー、宮杯と連覇。

このまま特別もと思ったら、凡戦続き。
ちょっと今までの勢いが陰ってきたかなと感じられました。

ぶっちゃけ自分はいい気味だ！
そんな自分ばかりのレースの選手が特別取れるほど甘くないと笑っていたくらいです←新田選手ファンの方スイマセン！

ただ、その凡戦続きの中でそろそろ追い込み転換かなと思ったら、先行を多用するようになりました。

ちょっと新田選手の中にも心境の変化があったのかもしれません。

ようやくラインの重さ、偉大さを理解したのかなと自分の怨みも徐々に解き放たれるようになりました。

先の大垣記念で新田選手本人は「自分の位置は狙われるかもしれない…」との節のコメントをしてました。

自分はその…は、「そうなったら守り抜くし、いざというときには後ろの林・萩原各選手が俺を見捨ててでも南関に優勝をもたらしてもらいたい」なんて思いが伝わりました。

あれだけ嫌悪していた選手なのに、こんな都合のいい解釈ができるなんて自分でも驚きです。

選手の気持の込もった走りで人の気持ちも変えられるんだなと。
なんかセンチになった大垣記念でした。

そういえば、海老根選手は先日防府F1で久々の優勝を飾りました。
海老根選手も新田選手に近い感じです。
これをきっかけにどう変わるか興味深いです。