「いずれまた」なんて書きながら、その舌の根の乾かぬ内に書いていることをお許しください(笑)。今日の山陽・優勝戦は、中村雅人選手の時代がいよいよ到来したと感じさせるもので、やはり書き記しておくべきだと思ったからです。

　前のベテラン4人は抑え過ぎの試走だったので最重ハン組に影響が出ましたが、まぁ順当というようなタイムでした。仕上がり具合がわからない状況で、果たして雅人選手がどう走るのか、注目するところはその一点でした。もちろん車券は買っていません（^^;）
　
　Sは8番手で1周回のホームも同じ。ただそこからですね、今の強さは。インには目もくれず外一辺倒でスピードを保っていました。コース的には岩見選手よりやや小さく、佐々木選手よりやや大きい感じで、篠原選手が内寄りにいたのも幸いでした。どこかでインに切り込んでゆくだろうと思っていましたが、4周回バックでその機会がやってきました。
　なんか普通に入っているように見えますが、あれは見た目より難しいですよ。なにしろ佐々木選手と岩見選手は重なっているし、切り込むのが少しでも遅くなれば、線上には交錯してしまう可能性のある篠原選手がすぐ後ろにいたからです。
　でも躊躇なしで入ってゆく姿は、王者と呼ばれるに相応しい風格のあるものでした。やはりインに切り込んでゆく姿は何度見ても【美しい】ですね。


　何回も書いていることですが、今のオートレースではインベタ・外一辺倒では勝てません。状況次第で臨機応変に両方を使えないといけないのですが、誰にでもできることではありません。
　強かった頃の絶対王者や好調時の浦田選手が同じような走りをしますが、今年に入ってから雅人選手は、確かにNo1勝負服に相応しいと心から思います。
　彼が強くなった理由は「Sが安定した」・「外の使い方が上手くなった」の2点でしょう。4・5年前は割とインにこだわるイメージでしたが、消音マフラーの導入が影響したのか私にはわかりませんが、特に序盤で外を使うことが多くなり、そのせいだと思いますが湿走路を乗りこなせるようになったのが大きいです。そういう意味では現在のセアのエンジン性能を、一番引き出す走りが出来ているのは間違いなく雅人選手だと思います。さらには新タイヤにも対応ができているように感じます。
　今年の雅人選手と金子大輔選手の活躍は目を見張るものがあります。年齢も似通っており、しばらくは二人を中心にオート界は動きそうですが、何と言っても雅人選手の安定感は特筆ものですね。
　
9連勝ですか。私は田代元選手の12連勝目をライブで観ていましたが、ぜひ絶対王者の14連勝に挑戦して欲しいです。良走路だけでなく、湿走路もこれだけ乗れるなら十分いけるでしょう。
　良い話題が乏しいオート界ですので、どうか雅人選手には記録を作って欲しいと思っています。


　先日のコラムにコメントを寄せてくれたイナズマナデシコさん、どうもありがとうございます。なかなか本質を突いた味のある内容で感心しました。
　私の基本的な考えは、お金を遣わせることではなく、楽しませることを優先させない限り、オートレースに限らず全ての公営ギャンブルは衰退してゆくと思っていることです。確かに、ギャンブルでなくなったら唯の娯楽になり、その方が存続できないのではと思われるかもしれません。でもイナズマナデシコさんが言う通り、オートレースは面白いと思うのです。楽しみ方人それぞれなのですから、ギャンブルでなければ存続できないと考えるのは、果たして正しいと言えるのでしょうか？

　まぁ、とりあえず雅人選手の連勝がどこまで伸びるか注目したいと思います。