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速すぎるがゆえの苦しみ

2014/02/17 19:08 閲覧数(554)
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思わぬ大雪でこれだけ開催が中止になるのも珍しいですね。なんか今年は色々ありそうな予感がします。

青山周平選手。長年オートレースを見てきた私でも彼のような選手は初めてです。試走はほとんど一番時計、抜け出すととてつもない上りタイムを叩き出す。そのスピードは他の誰よりも速く、その中身も1ランク上と言えるでしょう。

ロードレースに関しては詳しくありませんが、その略歴を見れば才能豊かなレーサーであることが理解できます。しかも必ずしも順風満帆というわけではなく、それなりの苦労もしているようですね。ですから今の成績は驚くに値しないかもしれません。

オートとロードの違いを私なりに一つ表現するとすれば、ロードレースのトップ選手は速いと評されますが、オートの場合は強いと評されるのではないでしょうか。

世界に幾多もあるモーターレースは、基本的にタイムアッタクをして一番時計の選手がポールポジションを取ります。けれどオートの場合は、一番速い選手が最も不利なスタート位置に置かれるという理不尽さ。まぁだから面白いのですが。

場合によっては7車を抜いてゆかなければいけない現実。しかし観客は、その苦難を成し遂げる選手に強いという称号を与えます。高橋貢選手に絶対王者という称号。浦田選手には常勝浦田という言葉。

昔から速いと言われる選手はたくさんいました。しかし強いと称されるのは、だいたい10年に1人か2人ぐらいだと思います。そのくらい強いと言われることは難しく、と同時に尊敬の念も込められた言葉でした。


さて周平クンですが、幾多の条件が重なれば彼がSGを取るのは時間の問題でしょう。最大の難関はタイヤと枠。今の走法ではタイヤにかなりの負担をかけていることは一目瞭然です。SGの長丁場だとなかなか厳しいと思っています。でも、あれだけ滑らせながらよく落車しないな、と感心しているのも事実ですが。

現時点での彼をタイプとして分ければ速攻型と言えるでしょう。同タイプの代表的選手が永井大介選手です。フォームは違うのですが、勝ち方がほぼ同じですね。ただスピードだけで絞れば周平クンの方が上かなと思っています。もちろんそれ以外は永井選手の方が優れていますが。そして共通しているのが混戦に弱いことです(弱いという表現は失礼なのですが、あくまでもS級上位と対した場合です)

弱いという表現は的確ではないかもしれませんが、2人が持ち合わせているスピードで混戦のインに入ってきたら間違いなく事故になるでしょう。他の選手からしたら、勘弁してよ、と言いたくなるでしょうね。だから後手を踏むとどうしても外回りで周回を重ねてしまうのです。


なぜ今回周平クンのことを書いたのかというと、今後どちらの方向に彼は向かってゆくのだろうかと考えているからです。

昔からオートは速攻型と追上げ型の競い合いでした。周平クンほどのスピードがあれば、わざわざ追上げ型に変貌を遂げる必要はないかもしれません。なぜなら条件さえ重なれば十分勝てるからです。けれどそのスタイルだと、強いという称号は与えられないのではと思えるのです。

個人的には彼にはインで我慢する走法を身に付けて欲しいと考えていいます。その方がエンジンを仕上げきれなかった時やタイヤに恵まれなかった場合でも、彼の才能であればそこそこの戦いができると思えるからです。


速い、というより速すぎる、という表現は私なりの言葉ですが、今までの常識を覆すような彼のスピードは、私にはある意味悩みでもあり苦しみにもなるのでは、と思えてしまうのです。まぁ贅沢な悩みですけどね。

オートレースでは強いと評されることが最高の栄誉です。今後周平クンがどちらの方向にゆくのか、その興味は尽きません。ただ密かに期待しているのも事実です。もしかしたら彼なら第三のスタイルを作り出すかもしれないと・・・。その時は今までにない称号がきっと与えらるのでしょう。

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