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存続の行方を考える

2014/09/16 13:35 閲覧数(2966)
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飯塚・ダイヤモンドレースの優勝戦は今のオートレースを象徴しているような展開と結果でした。その理由を書くのは重複しますのでやめておきますが、普通の予想の組み立てで、あの車券を当てることはなかなか難しいと思います。当てた方はきっと金子大輔選手のファンでしょうね。漁夫の利とはいえ、あの位置にいなければ優勝も転がり込んではきません。コラムで取り上げた関係上、私としても素直に喜びたいと思います。

金子大輔選手・G1優勝おめでとうございます!

※ちなみに3着はあっても1着はないと思っていたので、車券は外しました(泣)

さて船橋オートレース場の存続問題ですが、その後の動向についてどのようにファンに伝えてゆくのかと思っていたら、選手会でホームページを立ち上げましたね。とても良いことだと思います。
選手たちが色々とコメントを寄せていますが、中でも栗原勝則選手の言っていることが現実的であり、なおかつ本質を突いているなと思いました。私も同感です。15年の4月からJKAで改革を考えているとのことですが、遅いとはいえ、もっとも必要なことでしょう。ただ具体的な中身がわからないので何とも言えませんが。



今回の署名活動は、おそらく請願ということになるはずです。地方自治法による条例の制定やリコールなどとは違うので、いわゆる法的な拘束力はないので、これはあくまでも「お願い」ということになるのでしょう。

では、船橋市・千葉県が、この「お願い」を叶えてくれる可能性はあるのでしょうか?

その前に、オートレースを実施する根拠となる法律に少しだけ触れます。「小型自動車競走法」の第一条です。

「この法律は、小型自動車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに、地方財政の健全化を図るために行う小型自動車競走に関し規定するものとする」

前段は、まぁ良いでしょう。肝心なのは後半の、地方財政の健全化を図る・・・という表現です。船橋市も会見で、現状では財政に寄与しない可能性が高く、このままでは税金の投入をしなければならない状況だ・・・、というような内容でした。

要するに、財政に貢献するから賭博事業をやる意味があるのであって、赤字になって税金で補填することは想定外ということ。

確かにこの法律を素直に読めば、赤字の可能性があるのに続行したり、現実に赤字になったりしたら、船橋市や千葉県が住民監査請求に晒される可能性が出ます。責任問題に発展するということですね、特に市長や知事ですが。さらにこの法律では、廃止については何の規定もされていません。ということは、実施も廃止も地方自治体の裁量に任されている、と解釈した方が正しいようです。おそらく他の公営競技もそうなるのでしょう。

行政の裁量となると、ちょっと厄介ですね。決定権はあくまでも行政にありますから。もちろん、その決定によって不利益を被る人々の意見を聴く必要はありますが、その意見に拘束されることも、実はないのです。

私は法律の専門家でも行政の専門家でもないので、軽々しいことは書けませんが、ただ言えることは選手会やJKAの意見を聴く義務はあっても、それはあくまでも拝聴するという範囲に留まり、ましてや私達ファンの意見を聴く義務もないのです。

選手会には顧問弁護士がいると思うので、この件は、ぜひ行政不服審査法で争ってほしいと思います。過去に廃止になった公営競技で、このような手段を取った選手会があったのかどうか知りませんが、やる価値はあると思います。というのはこの法律に則れば、廃止の結論に至った経緯はもちろんのこと、施行を続ける努力をどの程度行ったのかの資料提出等も要求できるはずです。結果について期待はあまりできませんが、通常の交渉よりも行政側にプレッシャーを与えることは確実です。

ただ訴訟は無理かなと思います。行政事件訴訟はあくまでも違法行為に限ってなので、オートレース事業を廃止することが違法とは言い難く、むしろ赤字のまま続行した方が、この法律の主旨でゆくと違法になりそうな可能性が出てきます(船橋競馬場の累積赤字が伝えられている通りなら対象ですよ)。

耐震補強工事に関する金額の相違ですが、この分野については多少なりとも知識があるので付け加えると、いわゆる耐震補強工事は、どこまでやるかで数億円程度はすぐに変ってきます。強度を上げようと思えば際限がないのです。ただ現在の基準を満たすには、最低ここまではやらなければならないという範囲は当然あります。船橋市の14億円と選手会の言う7億円の開きは、この分野では特に珍しいことではないので、このことで争ってもあまり意味がないような気がしますが、第三者の専門機関で見積が妥当かどうかを判断することは可能です。



さて、「小型自動車競走法」という法律を読めば読むほど、私は嘆息してしまいます。まだ日本が貧乏な時代に賭博事業という名目で、地方財政を少しでも増やすために、庶民から如何にしてお金を巻き上げるかを考えた法律です。21世紀のこの時代に合うはずもないのに、未だ地方自治体が賭博事業を実施しているのは不可思議以外の何物でもないでしょう。

これほど多くの地方公共団体が賭博事業を実施する国というのは、たぶん少ないと思うのですが、よく考えてみると、赤字になりそうだったら施行を止めれば良いのですから、ある意味お気楽と言うしかありません。なにしろ法律にその根拠があるのですから。

もし民間経営なら赤字を出せば死活問題になりますし、個人に債務が降りかかることも予想されるので、如何に利益を上げてゆくか必死になります。今回調べてみてわかったことは、オートレースに関わる団体の大半が、いわゆる営利を目的としない社団法人だということです。株式会社は日本写真判定ぐらい?ちなみに選手会も社団法人でした。

おそらく他の公営競技も構造的には同じはずです。とすればオートレースに限らず衰退している現状も理解できます。当り前ですよね、賭博事業は公共事業ではないのですから、赤字になっても公共の福祉のために続けなければいけない事業ではないですし、営利を目的としない団体が運営・施行では、その努力にも限界があるのは当然です。

今回の件では色々と考えさせられました。果たして公営競技というのは必要なのだろうか、さらに言えば、21世紀に公営競技が存続できるのだろうか、という事です。

オートレースをやらない人は存続に何の関心もないでしょう。ましてやギャンブルをやらない人にはどうでもよいことです。私達はそのことを理解していないといけないし、あくまでも少数派であること、またギャンブル(賭博)という視点だけでオートレースを考えたら、おそらく存続自体ができなくなる可能性もあると思います。

私自身で振り返れば、オートレースをギャンブルという視点だけで見ていたのかどうか考えました。そしてわかったことは、レース自体を観るのが好きだということです。要は単純な理由ですが、けれども、たぶんこういう部分が一番大事ではないでしょうか。

もちろんオートレースはギャンブルでなければ、その存続理由を失います。しかし、ある程度鍛え抜かれたアスリートによるバイクレースという要素をきちんと持てれば、これからの未来にも存在意義を見出せると私は考えています。

私の中には、既にその形というか姿は見えています。そのことを具体的に書くのは次回にします。ただ一言だけ、
「オートレースは面白くなければいけない」

選手会にお願いです。ファンは様々な意見を持っているはずです。ですから、これからのオートレースを面白くするための提案をぜひ募ってください。そして、そのような提案を市や県に示してください。選手会の後ろには多くのファンがいることをわからせるためにも。

私達ファンができること、車券を買うこともその1つですが、多くの思いを伝えることも大事なことです。

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