先日、名古屋競輪場で行われた「名古屋ダービー」は、村上義弘の優勝で幕を閉じました。
ひと言で、村上義弘の優勝と書きましたが、
ここに至るまで、あの選手会の問題から本当に短いようで長い道のりだったような気がします。
まずは決勝戦前の、6R終了後の決勝進出者9人のインタビューを私がやらせていただきました。
今まで、たくさんのインタビューをやらせてもらいましたが、
今回ほど異様な雰囲気の中でのインタビューは初めてでした。
毎回、少しばかり笑いを入れさせてもらいますが、
この場でそれをしたら、解説の仕事は一切なくなると本能で感じました(笑)。
いつもはインタビューする内容はその場の雰囲気で決めるのですが、
各選手のこの決勝戦に懸ける意気込み、
いや、そんな表現ではありません。
おおげさではなく、このレースに選手生命を懸ける思いが痛いほど伝わってきました。
その気持ちを少しでもお客さんに伝えたい。
私も一生懸命に、各選手の想いをくみ取ろうとしました。
2番車の武田豊樹のインタビュー。
1番車、地元の深谷知広より大きな声援が沸き起こりました。
マイクを両手で握りしめ、
「一生懸命走るだけです」
自分の想いを懸命に伝えようとする姿は胸を打つものがありました。
そして3番車、村上義弘のインタビュー。
まるでグランプリを優勝したかのような声援です。
一部の新聞から村上引退の文字が躍ったことを考えたら当然なのかもしれません。
「村上引退するんじゃないぞー!」
このような声も聞こえました。
私は断言できます。
村上は、いつか引退する時が来るとは思いますが、
それが今ではないと…。
私も、少し興奮して村上が何を答えたのかあまり覚えていません。
しかし、このレースはいつものレースとは違うという想いはヒシヒシと伝わってきました。
彼は「ダービー」とは言わず、
「日本選手権」という呼び方をします。
そこには、グランプリと違って「日本選手権」こそが真の実力日本一を決める戦いの場であると思っているからです。
1日勝負のグランプリより、6日間戦ってその中で勝負を決める、
それこそが「実力日本一」だと。
レースも、「実力日本一」を決めるに相応しい戦いでした。
近畿4車を背負って戦った稲垣裕之。
その思いを無駄にできない村上義弘。
そこを固める村上博幸に稲川翔。
武田豊樹と共に、関東最強を誇る平原康多。
追込み日本一の成田和也。
そこに立ちはだかる、地元の深谷知広。
結果、優勝は村上義弘。
準優勝に武田豊樹、3着に深谷知広が入りました。
各々が自分の持ち味を出し切った、輪史に残る名勝負だったと思います。
この闘いを見せ続けることが出来るなら、
競輪ファンは必ず帰って来ると思います。
3月の終わりに行われた立川F1戦では、武田は内容でも、気迫でも他の選手を圧倒していました。
ダービーの余韻はまだ続いています。
今回、その役目を担っているのが平原康多だと思います。
その意味では、平原は内容も気迫も問われる西武園G3なのです。
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ゆばこ
村上義弘選手、武田豊樹選手の熱い走りを見たら競輪ファンはヤマコウ様のおっしゃるように戻ってくると思います。同じようなこととしとて、びわこがなくなって去っていったファンの方も宮杯での滋賀の選手の活躍で戻ってくると思っています。
一生懸命に走っている選手の走りは必ず見ているファンに感動を与えてくれます。自分中心の競輪をするサラリーマン選手ではなく、村上義弘選手、武田豊樹選手のように選手全員が感動を与えられ、ファンの気持ちを考えてくれるようになって欲しいと願っております。