コメントをくださった、スマホの国からさん・毎日　中さん、ありがとうございます。併せて、いつもコラムを読んでいただいている方々に改めてお礼を申し上げます。

今回、Gambooコラムの月間大賞にまさか選ばれるとは思ってもいませんでした。正直、スマホの国さんからコメントをもらうまで全く気づきませんでした（笑）。
私が書いていることは、あくまでも私の勝手な推測・考え方の代物ですから、違う考え方や感覚を持つ人も多いと思います。ただ、こんな見方もあるのだな・・・・的な感じで読んでもらったら幸いだと思っています。

本来なら、オートレースの人気・需要がもっとあれば、私の文章は専門誌の類に載せるべきものかもしれません。けれどもそういう媒体がないのですから仕方がありません。一時期オートレースの専門誌的なものがありましたが、短期間で廃刊になりました。やはり商業的には厳しいようです。そういう意味ではギャンブーというサイトはありがたいです。今回ポイントをもらったので使ってみるつもりです。なにしろここ数か月、呆れるくらい当たらないもので（笑）。


オートレーサーも立派なアスリートです。そしてレースをすることによって対価を得るのですから、彼ら・彼女らはいわゆるプロと呼ばれる人々です。そしてそこには、人間が行っている以上、様々なドラマがあります。


かつて私がまだ20代の頃、現在のスポーツノンフィクションの原型を作ったと言われる「江夏の21球」という作品がありました。作者である山際淳司氏は癌で亡くなりましたが、この分野では金字塔のような読物です。

野球に対する見方が変わった、と言ったら大袈裟かもしれませんが、それぐらい夢中になって読んだのを記憶しています。詳細はネットで入力すればすぐ出てきますから、興味のある方は読んでみてください。

スポーツを１つの人間ドラマとして見る・・・。ただ観戦するのではなく、その瞬間の息づかいまでをも推測する。オートレースも人間と機械が交わって行われる以上、当然色んなドラマがあるはずです。

もちろん単純に楽しむのも良いし、博打の駒としてのみ選手を見るという人がいても良いでしょう。いわゆる「観かた」は自由です。

しかし私は少し違います。

かつてオート界には「神様」がいて「ミスターオート」もいました。現在でも個性的な選手はそれなりにいるので、優れたライターが選手たちの息づかいを取材して文章にしてくれたら、きっと面白い読物ができるでしょう。

特に「広瀬登喜夫」元選手です。
最近の人は知らない人が多いでしょう。「オートの神様」とはこの人のことです。ダートの時代からトップに君臨した選手。もしかしたら、森選手の師匠と言った方が解る人が多いかもしれませんね。

ただ私が凄いと思うのは、選手としての成績もさることながら、その不屈の精神です。

オートレースの社会的認知が低い最大の原因は、1970年に起きた「黒い霧事件」になるでしょう。詳細はウィキペディアを読んでいただくとして、広瀬登喜夫氏は八百長をしたとして逮捕されてしまいます。選手として絶頂期の30代に。

それから5年近く裁判で争い無罪を勝ち取ります。もちろん冤罪でした。そこからはもう頭が下がります。復帰して2年後にＧ1で優勝。そして1990年には川口のＡ1になっています。その時の年齢が50歳。


なぜこの人を本にするライターが出てこないのか不思議です。もしかしたらあるのかもしれませんが、知っている人がいたら教えてください。ぜひ読みたいと思います。

もうここまでになると、1人のオートレーサーの物語では収まらないですよね。もう完全な「ドラマ」です。

コラムで私が書くものは、直接取材とかするわけではないので、あくまでも想像で書いています。本当は機会があったらやってみたいですが、まぁライターではないので一つの夢としておきましょう。

オートレースは、基本110秒という短い時間で終わります。けれどもその時間には、決して見えない様々なことが凝縮されているでしょう。
私は、ほんの少しでもよいから、それに触れることができたら、と願っています。