遠山競輪研究所

117期生デビュー期の成績予測( 2020/04/30 )

早期卒業を果たした117期の寺崎浩平選手と菊池岳仁選手は1月にデビューして既に大活躍していますが、他の117期生も今年は7月の本格デビュー前に、5月からのルーキーシリーズで実戦デビューします。
その前の分析として、昨年新人(115期)のデビュー期成績のまとめと、117期生について日本競輪選手養成所での成績をもとにデビュー期の成績予測(デビュー後7場所のG指数および競走得点)を行いました。参照ください。

1. 昨年新人(115期)のデビュー期成績まとめ

昨年デビューした115期生のデビュー期成績を下にまとめました。

  • ・対象選手:115期 69人
  • ・対象期間:デビュー期(2019年7月~12月)
  • ・総レース数(延べ数):2,478個 (内訳:チャレンジ戦 2,266個、A12班戦 182個、S級戦 30個)
1-1. 競走得点、勝率・連対率 および 優勝回数

表1-1に115期全体としてのデビュー期の平均競走得点,勝率・連対率,優勝回数を集計しました。
比較参考として 直近5年分の新人デビュー期成績も併記しました。
過去の新人としては107期が競走得点,勝率・連対率とも高かったのですが、115期もそれに劣らない成績でした。
また115期はデビュー期内に2回のS級戦優勝を達成しました。これについては次の項目で紹介します。

表1-1. デビュー期の競走得点、
勝率・連対率 および優勝回数
成績項目(期全体)115期(69人)113期(68人)111期(61人)109期(50人)107期(34人)
全合計の平均競走得点78.0076.4876.2576.8978.44
全合計の勝率・連対率49.3% 67.8%47.3% 63.2%46.4% 62.1%42.7% 60.0%51.0% 65.0%
チャレンジ戦勝率・連対率48.8% 67.5%46.0% 62.3%45.3% 61.5%41.1% 58.8%50.4% 64.7%
優勝回数150回135回130回89回89回
A12班戦勝率・連対率57.1% 72.5%72.0% 81.4%59.8% 69.8%54.2% 69.2%56.4% 68.0%
優勝回数16回18回20回23回17回
S級戦出走数-1着-2着30 - 12 - 81 - 0 - 03 - 2 - 07 - 3 - 017 - 5 - 4
優勝回数2回0回0回0回0回
1-2. デビュー期内の特別昇班・特別昇級

デビュー期(2019年7月~12月)にA2班へ特別昇班した選手およびS級2班へ特別昇級した選手の人数と選手名です。
比較参考のために113期~107期の該当人数も併記しました。

表1-2. デビュー期内の特別昇班・特別昇級
人数(115期 および113期~107期)
 115期(69人)113期(68人)111期(61人)109期(50人)107期(34人)
A2班への特別昇班1612131510
さらにS級への特別昇級41223
表1-3. デビュー期内の特別昇班・
特別昇級 選手名(115期)
 人数選手名
A2班への
特別昇班
9連勝で昇班13坂井洋(栃木)、外田心斗(愛媛)、高橋晋也(福島)、伊藤颯馬(沖縄)、晝田宗一郎(岡山)
小原佑太(青森)、後藤悠(岩手)、城戸俊潔(岡山)、朝倉智仁(茨城)、佐々木悠葵(群馬)
今野有樹(愛媛)、山口聖矢(岐阜)、小畑勝広(茨城)
レインボーFで昇班3脇本勇希(福井)、岩谷拓磨(福岡)、小原丈一郎(青森)
S級への特別昇級4高橋晋也(福島)、坂井洋(栃木)、朝倉智仁(茨城)、小原佑太(青森)

115期はデビュー期に16人が特別昇班し、さらに特別昇級した選手が4人もいました。
チャレンジ戦が設立された2008年(93期デビュー)以降ですと、デビュー期にS級に特別昇級したのは107期の3人が最多だったのですが、今回はそれを上回りました。
また、坂井洋選手(栃木)と高橋晋也選手(福島)はデビュー期内のS級優勝まで達成しました。チャレンジ戦設立以降でデビュー期内にS級優勝者が出たのは初めてのことです。
過去では96期の深谷知広選手がデビューから20連勝していきなりS級決勝まで進み当時話題となりましたが、その深谷選手でさえ結局はデビュー期内にS級優勝することは出来ませんでした。デビュー期に二人のS級優勝者が出たのは凄いことです。
(その後、今年1月に早期デビューした117期寺崎浩平選手がデビュー7場所目でS級優勝して最短記録は既に更新されてしまいましたが...。)
小原佑太選手(青森)はナショナルチームに参加してワールドカップ等の世界大会にも出場しました。それによって1ヶ月半の競輪ブランクがあるのですが、それでもS級特進したのですから大したものです。
115期はかなりレベルが高いエリート集団でした。(107期生と並んで過去最高)

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2. 115期生デビュー7場所成績の予測値vs実績値

昨年6月の新人分析として「115期生デビュー期の成績予測」を行ないましたが、そこで予測したデビュー後7場所のG指数および競走得点に対する実績値の散布図を下に示します。

  • ・図2-1. は 115期69人のデビュー7場所後のG指数 予測値vs実績値の散布図です。
    横軸は予測したG指数、縦軸は実績のG指数です。
  • ・図2-2. は 115期69人のデビュー後7場所の平均競走得点の 予測値vs実績値の散布図です。
    横軸は予測した競走得点、縦軸は実績の競走得点です。

実績値が予測値どおりであれば散布図の赤線上にのるのですが、実際は散布図の丸点のように分布しました。実績値はもちろんバラつくのですが、線形式での予測としてはある程度上手く予測できたと思います。(競走得点の予測値と実績値の相関係数は0.70、G指数の予測値と実績値の相関係数は0.71でした。)
下で行なう今年の新人成績予測にも昨年と同じ予測式を使用します。

G指数7場所後の予測値vs実績値 競走得点7場所分の予測値vs実績値

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3. 117期早期卒業者の実績

117期は既に寺崎浩平選手と菊池岳仁選手が早期卒業者として1月にデビューしています。両者のデビュー後7場所の成績を 表3-1 にまとめました。

表3-1. 117期早期卒業者の在所成績と
デビュー後7場所の実績値
選手名年齢府県在所成績デビュー後7場所の実績
得点
順位
出走
回数
1着
2着
3着
200m
タイム
級班勝率連対率優勝回数G指数
実績値
競走得点
実績値
チャレA12戦S級戦
寺崎 浩平26福井125211110.33秒S295.2%95.2%33149.1091.66
菊池 岳仁19長野424111510.56秒A281.0%95.2%32044.9888.66

二人ともデビュー後連勝を続けて3場所でチャレンジ戦をクリアしました。
寺崎選手はA12班戦も3場所でクリアし一気にS級の準決勝まで勝ち進みました。準決勝3着で連勝は19でストップしましたが、決勝でも勝利してなんとデビュー7場所目で既にS級優勝を達成してしまいました。記事を書いている現時点ではそこまでなのですが、今後デビュー期の6月末までにはもっと優勝回数を伸ばせるかも知れません。
菊池選手の連勝は13でストップしましたが、それでもデビュー後7場所でA12班戦の優勝2回を達成しており素晴らしい成績です。

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4. 117期生デビュー期成績の予測

4-1. ルーキーシリーズについて

今年から新人は7月からの本デビューの前に、5月,6月に開催されるルーキーシリーズを2場所走ります。
そこでの成績が級班審査の対象とはならないのですが、そこで得た競走得点は7月デビュー時に出走表の競走得点に反映されます。
ルーキーシリーズの概定番組は通常のチャレンジレースより競走得点の設定が5点ほど高めとなっており、全レース平均の競走得点は75.0点です。
昨年の新人115期のデビュー後2場所の平均競走得点を計算すると75.76点であり、ルーキーシリーズの競走得点はこれと近い値に設定してあります。
つまりルーキーシリーズで得た競走得点は、その後のチャレンジレースで他選手との能力比較にそのまま使用できそうです。

そうなんですが、ルーキーシリーズおよびデビュー後7場所間は以下で算出する総合点や、G指数予測値競走得点予測値を参照することでより的確な選手能力を把握できると思います。

4-2. 117期選手のデビュー期成績予測

まずは次式で、各選手の在所成績を評価する 総合点(\(ZScore\))を計算します。
(2018年6月の分析「111期生在校成績とデビュー期成績の関係調査」で求めた関係式です。)

総合点の計算式 \[ ZScore = (1.1×ZrtP)+(2.5×ZrtB)-(85×Z2tm)+(50×(Av2T-11.49))+1270 \]
\(ZrtP\)
競走訓練における連対率
\(ZrtB\)
競走訓練におけるバック取得率
\(Z2tm\)
在所中の 200m独走最高タイム
\(Av2T\)
同期全体の 200m独走最高タイム平均値

総合点が高い順に117期生を下の表4-1 に並べました。

総合点1位は静岡の長田龍拳選手でした。競走訓練では得意の捲くりで勝ち数を伸ばし競走得点は早期卒業した寺崎選手に次ぐ2位でした。中学から自転車競技を始め、星陵高校時代は高校選抜,高校総体,国体(少年男子)のスプリント3冠を達成したエリートです。
総合点2位は山口拳矢選手でした。高校まではサッカー部でした。113回生として一度競輪学校に入学しましたが卒業できず117回生として再スタートしました。タイトルホルダー山口幸二(62期)を父にもつサラブレッドであり、登坂トーナメントで優勝し、ゴールデンキャップも獲得しました。
総合点3位は3回の記録会全てでゴールデンキャップを獲得するという大記録を作った広島の町田太我選手、4位は数々の記録を有する偉大な坂本勉(57期)を父にもち兄二人(94期坂本貴史,100期坂本周輝)もS級で活躍している青森の坂本紘規選手、 5位は卒業記念レースのチャンピオンでゴールデンキャッパーでもある佐賀の青柳靖起選手でした。

117期生は早期卒業者も含めると6人のゴールデンキャッパー(表3-1および表4-1 において背景が薄オレンジ色の選手)を生み、養成所の最多記録(今までは69期・115期の2人)を一気に更新しました。
早期卒業の寺崎浩平選手は 200mFD(10秒33)で、菊池岳仁選手は400mFD(21秒88)と1000mTT(1分04秒05)で養成所記録を更新しました。
また、期全体の平均タイムとしても117期生は200mFD,400mFD,1000mTTの3項目で養成所記録を作りました。
117期生は相当な活躍をしそうです。7月の本格デビューがとても楽しみです。

上式の総合点を基にデビュー後7場所の競走得点とG指数を予測します。
2018年6月の分析「111期生在校成績とデビュー期成績の関係調査」で求めた次式で算出し、表4-1. に付加しました。レース予想の参考データとしてご利用ください。

初期競走得点の予測式 \[ Riscore = 9.590×Ln(ZScore-200)+27.808 \]
\(Riscore\)
デビュー後7場所の競走得点
\(ZScore\)
在所成績の総合点
初期G指数値の予測式 \[ Giscore = 10.812×Ln(ZScore-200)-23.361 \]
\(Giscore\)
デビュー後7場所のG指数
\(ZScore\)
在所成績の総合点
表4-1. 117期生 在所成績とデビュー後7場所の成績予測値 (背景が薄オレンジ色の選手はゴールデンキャップ獲得者)
総合点
順位
選手名年齢府県在所成績デビュー後7場所
出走
回数
1着
2着
3着

回数
決まり手競走得点200m
タイム
総合点G指数
予測値
競走得点
予測値
得点順位
1長田 龍拳19静岡51291431952013581.03210.88秒512.038.7382.88
2山口 拳矢24岐阜623212525101516380.11310.87秒505.838.5282.69
3町田 太我19広島58211172610128277.551310.88秒498.838.2782.47
4坂本 紘規23青森621510524399476.561810.90秒465.536.9981.34
5青柳 靖起20佐賀5826771721516078.24810.86秒463.636.9181.27
6櫻井 祐太郎20宮城602051225789177.591011.14秒454.036.5180.91
7小笠原 光24岩手6118104162138576.911510.89秒441.335.9580.42
8長谷部 龍一23岐阜6212118131810476.621710.66秒438.035.8180.29
9松本 秀之介20熊本612418101021221779.78510.97秒435.235.6880.17
10鈴木 陸来23静岡61410624162574.753711.09秒431.835.5280.04
11松岡 辰泰23熊本61171281621113377.91911.07秒427.835.3379.87
12石原 颯20香川60109914493375.533010.87秒420.134.9679.54
13貴志 修己24和歌山4969810432675.483110.83秒415.034.7179.31
14阿部 将大23大分6224991001020378.30711.01秒413.934.6579.26
15安藤 直希22京都609101314473576.002610.95秒413.334.6279.24
16成清 龍之介20千葉601911691158677.561210.95秒412.634.5979.21
17犬塚 貴之19愛媛57811811167575.892711.01秒399.933.9278.62
18青野 将大25神奈川621816151134151279.20611.26秒398.533.8478.54
19鈴木 玄人23東京5826513420272.016210.88秒397.333.7878.49
20伊藤 旭20熊本609111310058776.761611.00秒394.233.6178.34
21山川 奨太22熊本5841396046776.222410.79秒391.833.4778.22
22久田 裕也20徳島56810811085575.872811.23秒380.832.8377.65
23長屋 秀明19岐阜601151212176276.262111.18秒379.932.7877.60
24土生 敦弘21大阪604978155273.684911.00秒373.132.3677.23
25兼本 将太23熊本628141131471077.321410.94秒372.132.3077.18
26村田 瑞季23京都62813106058876.452011.13秒366.331.9376.85
27渡邉 雅也19静岡621116820416777.581111.07秒365.931.9076.83
28山田 雄大19埼玉62114980310275.243311.19秒358.631.4276.40
29大森 光明21北海60114810111375.113510.87秒358.631.4276.39
30谷元 奎心19鹿児島5556102025475.233410.88秒357.231.3276.31
31仁藤 秀21静岡5798123118776.262211.07秒355.931.2376.23
32藤田 周磨22埼玉612255002272.655710.86秒355.531.2076.20
33仲野 結音20大阪615131330171076.262311.07秒354.731.1576.16
34戸邉 捺希21埼玉607399054174.433911.21秒353.931.0976.10
35小浦 凪20岐阜582782003673.914510.86秒353.531.0676.08
36太田 龍希19埼玉6299106239476.501911.23秒352.530.9976.02
37山本 勝利21東京623966025575.303211.18秒346.130.5375.61
38佐々木 眞也25神奈川61714106139876.212511.38秒346.030.5375.60
39下井 竜25三重621166001171.906310.99秒344.530.4175.50
40橋本 優己20岐阜6271286166675.852911.38秒341.530.1875.30
41松本 一志23宮崎625631006574.194011.00秒339.430.0275.16
42片桐 善也26新潟592596005276.615011.19秒338.229.9375.07
43道場 晃規22静岡581842122473.744811.04秒338.229.9375.07
44上川 直紀23栃木621973011873.984211.13秒334.729.6574.83
45倉松 涼23高知581592012374.513811.02秒334.229.6174.79
46佐々木 和紀23神奈川533694025273.984311.24秒333.029.5274.71
47水森 湧太21東京562332003271.726411.04秒331.229.3774.58
48緒方 将樹21熊本601471002373.165310.98秒330.929.3474.56
49内藤 久文28愛知592895114474.104111.35秒326.028.9374.19
50岡田 亮太19東京584261023172.655811.07秒325.628.9074.16
51林 敬宏28愛知6104112001373.854611.13秒320.228.4273.74
52梁島 邦友21茨城610025000070.806511.20秒319.428.3573.67
53中村 泰輔26和歌山600041000070.506711.02秒318.428.2573.59
54中村 翔平26福岡5818114001875.083611.38秒317.928.2173.55
55原 大智23宮城614562013573.754711.29秒315.728.0073.37
56大平 竜太郎19愛媛611161010172.086111.10秒315.127.9573.32
57畝木 聖23岡山6105134011373.555111.31秒314.927.9473.31
58秋本 耀太郎22栃木592771005473.914411.30秒311.427.6073.01
59藤野 竜也20栃木611640002572.346011.21秒310.727.5372.94
60小松原 正登21福井610560000573.005411.17秒310.527.5072.92
61倉田 紘希19三重572464021372.755611.47秒305.126.9672.44
62黒滝 大翔25茨城553442023273.215211.40秒305.026.9672.44
63吉田 勇気31福岡421291011172.785511.31秒303.326.7972.29
64小坂元 雄斗26神奈川600020000069.486911.15秒303.126.7672.27
65田 典幸28熊本610110000170.576611.19秒301.526.6072.12
66和泉 尚吾23愛媛610742000772.635911.44秒299.326.3571.90
67中村 隆生19栃木601121002069.447011.31秒297.426.1471.72
68溝口 葵27大阪610020000069.137111.44秒278.523.8169.65
69枠元 一葵20福井620011000068.797211.58秒270.622.6768.64
70安達 隆己23栃木591220001270.356811.60秒270.522.6568.62
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