遠山競輪研究所

短期登録選手参戦レースの結果検証(男子編)( 2019/11/1 )

4月から招待されていた男子の短期登録選手(外国人選手)も、9月に今年の全レース日程が終了しました。
今年の短期登録選手の成績 および 参戦レースの結果のまとめを行い、4月の分析記事「外国人専用車券戦術(男子編)」に記載した車券戦術での車券購入を実践した場合の回収率等を検証します。

2019年の短期登録選手成績

今年は全員が来日2回目以上となるお馴染みの7選手が参戦しました。以下にその7選手の本年成績をまとめました。
表中の「オッズ支持率」は2車単オッズにおける1着支持率の平均値です。レースの「勝率」と比較して高いほうの背景をピンクにしています。
全選手で勝率がオッズ支持率を上回りました。全選手が人気以上の成績を収めたということになります。

平均競走得点および勝率が最も高かったのは昨年に続きオーストラリアのグレーツァー選手、優勝回数が最も多かったのは来日9回目で今年はロシア籍で参戦したパーキンス選手でした。
今年は勝率80%を超える選手はいなかったのですが、勝率60%を下回る選手もいませんでした。

表1. 2019年個人成績
(平均競走得点が高い順にならべています)
選手名国名レース
オッズ
支持率
勝率連対率優勝
回数
平均競走
得点
マシュー・グレーツァーオーストラリア1970.78%78.95%94.74%3113.57
マティエス・ブフリオランダ2567.70%76.00%92.00%3112.60
ジョセフ・トルーマンイギリス2663.38%65.38%84.62%3112.23
シェーン・パーキンスロシア3071.43%76.67%93.33%6111.90
シュテファン・ボティシャードイツ2467.33%75.00%91.67%3111.17
デニス・ドミトリエフロシア3458.67%64.71%79.41%4110.94
テオ・ボスオランダ3671.88%75.00%88.89%5110.86

注)オッズにおける1着支持率は オッズ倍率からの換算値であるため若干の誤差を含みます。

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短期登録選手出場レースの結果

単連絡み率と2車単・3連単車券の配当

今年の男子短期登録選手が出走したレースで、1着および2連対・3連対へ短期登録選手が絡んだ比率、そして2車単・3連単車券の配当値を調べてみました。
例年との比較のために2017年,2018年の数値と併せて表記します。

表2-1. 短期登録選手の単連絡み率と2車単・3連単配当値
レース数短期登録選手の比率2車単配当3連単配当
1着2連対3連対中央値(注)平均値最低値最高値中央値(注)平均値最低値最高値
201717779.7%88.1%91.0%560円2,918円130円145,120円2,880円20,578円380円479,000円
201816681.9%86.7%89.2%405円3,409円110円112,080円2,335円22,822円260円555,940円
201915591.0%94.8%97.4%330円3,544円120円188,690円1,835円35,049円230円2,693,670円

注)中央値:配当を小さい順に並べたとき中央に位置する値。例えば配当個数が155個の場合は小さいほうから78番目の値。

短期登録選手が1着となった比率、および2連対・3連対に絡んだ比率は、例年より高めの数値となりました。
それに伴い2車単・3連単配当の中央値は例年より低めとなりました。
しかし短期登録選手が単や連を外したレースで高配当が出たため2車単・3連単配当の平均値は例年より高くなりました。

比較参考として 下表に同期間の日本人レースS級戦の配当データを添付しました。

表2-2. 日本人レースS級戦の単連絡み率と2車単・3連単配当値
期間レース数2車単配当3連単配当
中央値平均値最低値最高値中央値平均値最低値最高値
 2019年4月~9月 2,9931,760円4,317円140円126,090円9,450円29,760円220円874,680円

車券戦術の実践結果

車券戦術

4月の分析記事「外国人専用車券戦術(男子編)」で、2017~2018年の短期登録の外国人選手が出走するレースを分析した結果、回収率100%を目指す車券戦術として、以下条件の2車単車券を提案しました。

次の3条件が成立するレースで、「外国人選手→番手の日本人選手」の2車単車券。

  • ・メンバーの中に単騎登録の外国人選手が一人
  • ・「外国人-日本人選手」、または「外国人-日本人選手-日本人選手」のラインができる
  • ・外国人選手のG指数値 ≧ 日本人トップのG指数値 + 7.0
今年の実績

これを今年のレースで実践した場合の的中率や回収率はどうだったのでしょうか? 下表に実績をまとめました。

提案した2車単車券では回収率90%という結果でした。残念ながら目標の100%に達することはできませんでした。
参考として、上条件の「外国人選手→番手の日本人選手」を1,2着とし、3着指定として、
・残り全選手への総流し
・残り選手のうちG指数の上位3人への3点流し
の3連単車券を購入した場合の結果も表に添付しました。この場合は「回収率ほぼ100%」および「回収率100%越え」という結果でした。

注1)対象:2016年4月~9月の男子短期登録選手が出走したレース(エボリューション除く) 145個。

注2)ここでの損益は 1レースの車券購入額を100円として計算しました。
したがって3連単・3着総流しの7点買いの場合は1車券の購入額は 14.29円とし、 100円未満も有りで計算しています。

表3. 2019年「外国人専用車券戦術(男子編)」適用の実績
車券種類条件該当
レース数
1レースの
購入本数
的中数的中
平均配当
的中率回収率損益(注2)
2車単561.024210円42.9%90.0%-560円
3連単・3着総流し567.0241,633円42.9%100.0%-1円
3連単・3着3点流し563.0141,228円25.0%102.3%+130円
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