皆様、おはようございます。

今日は、昨日行われた、飯塚オート（一般開催）優勝戦についてのコラムです。

まずは、こちらをご覧ください。

[2015.10.04]　飯塚
一般開催・最終日
【12Ｒ】優勝戦　　3100m
　　　　　　　　　　試走
　①小松久（浜）０　3.50
　②中原誠（飯）０　3.40
　③安藤定（飯）10　3.38
　④片岡賢（飯）10　3.39
　⑤田方秀（山）20　3.39
　⑥角南一（山）30　3.32
　⑦岩見貴（飯）30　3.34
　⑧桝崎陽（飯）30　3.34

続きまして、こちらをご覧ください。

＜結果＞　　　　　　　　試走　　本走
　１着　⑦岩見貴（飯）　3.34　　3.441
　２着　⑥角南一（山）　3.32　　3.450
　３着　①小松久（浜）　3.50　　3.503

・・・！？

はい。では最後に、こちらをご覧ください。

＜払戻金＞
　２連単　⑦－⑥　　　　 890円
　３連単　⑦－⑥－①　　157,360円


２連単が３桁で、３連単が６桁配当。過去に同様のケースがあったのか、少なくとも私の記憶には有りません。
どの選手が配当を引き上げたのか、それは一目瞭然ですよね。

このレースに関する感想はいろいろあって、そもそも前述の通りの試走を出している最重ハン勢でなぜ独占出来ないのか、特に⑧桝崎陽は何をやっていたのか・・・という点も勿論ありますが、私がまず第一に言いたいのは、以下の通りです。

・・・「なぜ、この試走（3.50）で、再試走が行われなかったのか」。

再試走の要否については、数値上の明確な規定はおそらく無く、例えば川口オートの実施規則にも「審判委員は、前項の試走において、その走行が適当でないと認めたときは、当該選手に対し、再試走を指示する」（川口市小型自動車競走実施規則 第55条２項）とあるだけです。
「その走行が適当でない」というのは、即ち、試走で義務付けられている「全力疾走」が行われていない、という事であり、ここからは伝聞なのですが、確かそれは「直近の何走かの試走タイム・本走（上がり）タイムを参考に、それと比較して著しく悪い場合」・・・例えば、少なくとも、本来試走タイムより遅くなる「上がりタイム」と同じレベルの試走タイムであれば、著しく悪い場合の部類に入るものと思っていました。
また、再試走が行われる場合、１回目の試走よりもタイムが改善されていなければならず、そうでない場合は「タイムダウン」扱いとなり、出走停止になるはずです（これはかなりレアケースです。明確に規定されている文書を見つけられないため、確かそうであったという記憶に頼らざるを得ないのですが）。

ではここで、小松（久）選手の、優勝戦前までの直近４走の成績をご紹介します。

　　　　　　　　　　　　　　　　試走　　本走
9/26　浜松　９Ｒ　一般　　３着　3.40　　3.502
9/27　浜松　７Ｒ　一般　　７着　3.43　　3.530
10/2　飯塚　３Ｒ　予選　　１着　3.44　　3.490
10/3　飯塚　11Ｒ　準決　　２着　3.47　　3.506

はい。
これを踏まえて、もう一度申し上げます。

・・・「なぜ、この試走（3.50）で、再試走が行われなかったのか」。

どう見ても、著しく悪い部類に入ると思うのですが。
今開催の初日（10/2）なんて、昨日の試走タイムよりも速い上がりタイム（3.490）をマークしているではないですか。

ちなみに私は昨日、コラムには載せていませんでしたが、このレースを買っていました。
⑦岩見貴のアタマから、⑦－⑥－⑧は買っていましたが、①は買っていません。真っ先に消しました。理由は唯ひとつ。「この試走タイムでは、３着以内に残る事が計算できないレベル」であるからです。そもそも、上記の通り試走タイムがだんだん悪くなっているのですから、エンジンが何か下降傾向にあると考えるのが自然でしょう。

・・・で、これがもし、再試走が行われ、その結果試走タイムが「3.45」ぐらいであったとしたら、試走偏差の小さい小松（久）選手のこと、「もしかしたら３着くらいは・・・」と思ったかもしれませんし、仮にそれを予想出来ず、３着でハズれたとしても、そもそも何も批判しません。試走タイム3.45で、上がりが3.503なら、前述の直近成績を見ても「計算できる」話ですので、文句は言えません。逆に「計算できる結果なのに、なぜ３着に押さえなかったのか」と、反省する事になっていたでしょう。

・・・そもそも昨日のこれは違います。計算が出来ないんです。
試走タイムが3.50なら、上がりはどんなに良くても3.53を想定するでしょう。優勝戦でこのタイム、しかもたった30ｍ後方の主力勢が3.32～3.34の試走タイムを出している以上、（事故以外の）どのような展開になったとしても３着以内に残る事は無いと考えるのが自然でしょう。

以前にもこのコラムで申し上げた事が有ります。オートレースは数字のギャンブルである、という事を。
試走タイム、上がりタイムは予想を行う上で非常に重要なファクターであり、ファンはそれを根拠に車券を買うのです。

「ギャンブル」としての日本の公営競技において、オートレースの良いところは、このようなキメ細やかな予想ファクターが充実している事にあり、ある程度計算によって結果を読むことが出来るという点にあると考えています。

・・・このような結果を見せられては、いよいよ何を根拠に予想をすれば良いのか・・・という気にさせられてしまいます。

そこで求めたいのは、再試走の基準の厳格化。

少なくとも、「その走行が適当でないと認めたとき」というような、どうとでも取れそうなやんわりとした規定ではなく、「直近何走の間の上がりタイムよりも悪い試走タイムの時」とか（むしろそういう細かい規定まであるのかと思っていたのですが・・・）、少なくとも、どの審判員でも明確に判断可能な基準が必要であると考えます。もっと言えば、そこまで明確化できれば、その規定を公開する事で、一般のファンでも明確に判断可能な基準にもなります。

そうなれば、さらにファンの間に、予想におけるタイムの重要性が浸透し、それによって車券の的中に繋がれば、より、ギャンブルとしてのオートレースというものがファンの間に浸透し、売り上げにも繋がっていくのではないかと思います。
ですから、これは急務だと思うのです。

以上、提言させて頂きます。