十万人余が集った中央競馬のライヴ映像を垂涎の眼で俺は見ている。競輪業界に身を置くはしくれにも、格差をまのあたりにした寂しさが起こる。
E先輩が力説する「昔はぜんぜん競馬より競輪だった――」の時代を俺は知らないが、完全に引っ繰り返された現状が、今だ。
サラブレットは繊細だから、驚かすようなどよめきは慎むべきである――。そんな警鐘が鳴らされた時代が嘘みたいに、観客のボルテージは上がりに上がる。
フランスの凱旋門賞の馬券の売り上げが四十億を超えたという。異国の競馬を、日本人だけの金の遣り取りでこの金額だ。
日本の競輪をどこか富裕の民がひしめく土地で、ドンと買ってもらえたら。
「サテライト・ドバイ」なぞ、どうかしら?
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