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メロディ

2021/01/10 12:49 閲覧数(427)
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 テレビのニュースがレジャー施設の営業時間短縮を伝えるのに自作のアイコンを表示している。〈ライヴ・ハウス〉は箱形のアンプにシールドが挿されたエレキギターを抱えながら男?が歌っていた。〈パチンコ〉はといえば遊戯台の中央に「7・7・7」の確変数字が揃った。
 その777を見てちょっと笑い、バチンコ狂だった友人のことを想い出した。奴と一緒だった立川の特別競輪はダービーだったか。予選だか準決だか忘れたが、吉井秀仁が逃げて山口健治のズブズブ、三番手は小林信太郎だったのかなぁ……。記憶はかなり曖昧だけど、ヤマケンからズブズブ一本で奴と見解が一致したのははっきり憶えている。もちろん枠単の時代の話だ。吉井の残りが一番人気でズブズブは七八百円付いたのだったか。
 ♪あんなにも/好きだった/きみがいたこの町に/いまもまだ大好きな/あの歌は聞こえてくるよ/いつもやさしくて/少しさみしくて/あの頃は/なにもなくて/それだって楽しくやったよ/メロディー/泣きながら/ぼくたちは/幸せをみつめてたよ――玉置浩二の『メロディ』を聴くと、Oと軽トラを流していた二十代前半が、Tと毎日連んでいた二十代後半が、競輪場がある出張先の地方都市で毎晩馬鹿騒ぎ、シャッターの降りた深夜の商店街を仲間と歩いた四十代が浮かびあがり、胸の奥をぎゅっと掴まれたような寂しさをおぼえる。Oとは暫く会っていない。Tは一昨年死んじまった。散り散りの仲間たちは元気にしているだろうか。
 俺の軀のほとんどはおもいでで出来ている――。
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