本日(二月二十日)より取手競輪場にて全日本選抜競輪が開幕した。
名前の売れている選手ばかりだから朝一から面白いっちゃ面白いが、普段の記念と変わらない様なレース、七人が九人に増えただけじゃないのと辛口の出るレースも混じる。ま、誰が走っても競輪は競輪だから仕方ない。だけど十レースからの後半三つは何んだか異種格闘技、は云い過ぎだが、まるで異なる競輪に思えたのは、格上連の出場だけが理由ではなかろう。矢っ張り「三着迄に付与される準決切符」が実に大きい。
第十競走、山崎賢人-北津留翼が上昇すると、松浦悠士は躊躇なく番手で競った。北津留を好きにはさせない。プロだなあ、さすが松浦だなあ。山崎が又強い強い。番手捲りを放った松浦は微差交わすのが一杯で新田雄大も郡司浩平も不発。最後の郡司の中割りにも唸らせられた。
第十一競走、深谷知広-和田真久留-鈴木裕の南関トリオがきれいに出、中団確保の清水裕友の捲りは不発、六番手併走の吉田拓矢と野原雅也はあまり格好よくない敗戦となった(意地になるのも又競輪だけどね)。深谷が強くて誰も来ない展開だから和田が車間を切りながら三人で決めた。小倉竜二の強襲を微差凌いだ深谷の三着も又大きい。
最終の第十二競走、新山響平-佐藤慎太郎-成田和也の先行を平原康多が楽に捲った。丁度踏み上げていた古性優作が諸橋愛をごしごし押してマークを奪った態、慎太郎もヨコには振ったが「追い越し車線」のスピードが違っていた。それでも冷静に確定板で、此所は前のレースと真逆のS班三人で権利着を占めた。
改めて思う、競輪は「三の倍数」が最適だと。
九人の一流連が「三着権利」に凌ぎを削る競輪が後半に三つ。これは競輪党にとってたまらない。ふうむ、初日からS級S班総出の「準決」を懸けた「準決」を見ているに同じだから、観戦者の興趣が増しに増すのも無理からぬ事である。
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