奈良記念のとある敗者戦の一幕。A-B-C-Dと本線は四人。地元の先行屋Aが赤板前から突っ張ってガンガン逃げた。最終三角では浮き駒の捲りがいい勢いで来たが、番手のBが大きく張って止める(その影響で失速した捲りの後続選手が落車した)。三番手のCはがらり開いた内にはいり、四角で戻って来たBをもう駄目ですとばかりに体を入れて中バンクまで持って行った。再び空いた内のコースを踏んだDが逃げ粘るAを交わし、ライン四番手の一着・ライン先頭の逃げ粘りという車券は、二車単38,480円の大穴となった。因みにA・Bの「逃げ・マーク」の確定オッズは580円であった。
三番手廻りでも三番手ではない――。皮肉のひとつも発したくなるが、俺は競輪の見方が単純だから、ならざるを得ない理由を探す努力もしたほうがよかろう。
A-B-C-Dは近畿-近畿-中部-中部のラインなのだから、三番手は四番手のことを気遣う――。しかもCはまだタテヨコ兼備の選手だから中部-中部の先輩に遠慮がある――。結果三角でブロックしたBは「押し上げ」の反則行為で失格しているのだが、瞬時に「そのこと」をCが察知したゆえの判断――。そんな想を得てニヤニヤするのも車券で負けた「駄賃」である。
大概の競輪には冷徹も冷酷もない――。
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