新タイヤについて一点だけ気になっていることがあります。何かというと、S級上位者の試走タイムは伸びていないのに、A級の中位および下位またはB級選手の試走が全体的に伸びている印象があることです。詳しく調べたわけではないので断言はできませんが。
川口・初日でも試走・上り時計が特に悪いわけではないです。もちろん良くはないですが、1着の時計がだいたい3.47~3.48ですからランクから考えれば普通です。益選手のタイムは追い上げではないので参考になりません。
2ヶ月近くの結果から言えるのは全体的に上り時計が似かよっていることです。別の言い方をすれば極端に速い時計が出ない。その反面、消耗が激しくなる走法でなければ食い付きが良く、その分タイムが向上する。要するに、ある一定の速度内であればそれなりに走れるということです。
そういう前提に立てばこれまでの結果も納得がいきます。
そんなことから昔の話を思い出しました。伊勢崎所属のある選手ですが(まだ現役です)、練習での当て付けをほとんどしないで試走で目一杯走る。もちろんタイムは出ません。しかし彼は、
「本走でちょうど良くなるから、これでいいんだ」
と言うそうです。
ほとんど0ハンか軽ハンですので、後ろがもたついていると確かにどんどん速くなってゆく。そんなレースを観たのは1回や2回ではありません。
もしかすると今回のタイヤはこの選手の方法が通用するのかもしれませんね。というのは、S級上位選手たちの動向から考えると、タイヤのベストの状態を掴みきれないというより、元々ベストな状態などないような気がします。
開発コンセプトは「年間を通じて一定の性能を発揮する」ですから(あり得ないと思いますが)、選手の力量・走法・天候等で差が大きくならないようにしている、のかも?(結果的に)
そのようなことが本当に可能なのかはわかりませんが、考えられるとすれば、タイヤの質は柔らかく、厚みは従来のものより増している。ならばA級からB級の選手のタイムが上がっている説明も付きます。このクラスの選手たちはS級選手のようにはこだわりませんし、またそこまでタイヤにお金をかけない(かけられない)。ですから必ずしもベストの状態で乗ろうとはしません(まだヤマがある状態)。しかし思ったより食い付きが良い(柔らかい?)ので試走はタイムが伸びる。
その反対にS級選手たちは基本的にベストを望みますから、試走ではそこそこの時計でも、いざ本走になると消耗が早いため滑り出して時計が出ない。もちろん、あくまでも推測です。ただ、これだけ軽ハン勢やスタート先行車が連に絡むと、あながち間違いとも言えないと思っています。
川口・初日のように、重ハン勢に捌く力も追い上げる力も乏しければ、タイヤの影響は測り知れないでしょう。ただS級上位者が今回のタイヤの使い方を掴めば、もう少し抜くレースが見られるとは思いますが、果たしてどうでしょう。
結局、ここ15年ぐらいのツケが出てきているような気がします。抜く技術の向上どころか劣化さえ見られる現状では、新タイヤはおそらく悪い方に影響するでしょう。オープンや単ハンデ戦ではフライング覚悟のS先行や、ハンデ戦でも前を叩けるかどうかで決まってしまう。東方不敗さんが言っていた「まるで競艇のようなオートレース」がますます増えそうです。
この状況を私はかなり憂慮しています。何故なら、レースとして面白くないからです。売上げ低迷に拍車をかけるのでは、とも考えています。何より私自身の意欲が低下しています。
益選手のスタート。これをコンスタントに出せるのなら来期からS級でしょう。往年の阿久津選手を彷彿させるものがありますが、ただ彼の場合はSGでもトップスタートでしたから、そこまでのレベルかと問われると・・・?かな。
2日目が試金石でしょう。初日は10Hだから叩きやすい(それにしても前の3選手が遅すぎる)、けれども今度は30Hなので角度があります。1人は叩いても3人全部は無理だと思います。長くオートを見ていますが、30Hの選手が20Hの3人を全部叩いたのを見たことがないので。
私としてはスタートで叩くのではなく、1車1車を捌くのを見たいのですが、仮に抜けなくてもその姿勢を見せてくれれば今の段階では良いのです。
しかしサトマヤや益選手など、軽量がこんなに有利になるとは。確かに阿久津選手や引退した加茂さんなども軽かったですが。
個人的には速攻型の選手は好きではありません。まぁ、これは好みの問題でもありますが、ただ大成しないのも事実です。カミソリスタートと称された有吉クン、抜く競争にシフトし出してから低迷が始まりました。永井大介クンも、ここ最近はその傾向が少し出始めているように思えます。周平クンは重症患者です。
新タイヤのおかげでしばらくは、軽量級でSを持っている選手が活躍するでしょう。ただ、もし本当にそういうレースが続くようだと、オートレースの現状はさらに深刻になりそうです。
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新タイヤとこれからのオートレース
2015/03/27 1:59 閲覧数(3413)コメント(3)
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神の虎
オープン戦に至ってはスタートでほぼレースが決まってしまう事が多く見られます。でもこの先上位選手と下位の選手にはまた大きな差が出てくると思います。上の選手には向上心や適応力があると思います。今までの勢力図がタイヤ一つで大きく崩れる事はないと思いますし、そう願いたい。ただ下位の選手でもいち早く適応することで自身をつけて大きく化けることはあると思いますが。やはりオートレースの醍醐味はほかの競技にはない強い選手が一番後ろの一番外から6周使って抜いていくこと。