皆様、おはようございます。

2017年の年頭を飾るグレードレース、伊勢崎オートで開催中のG1・シルクカップは、今日がいよいよ最終日。最終12Ｒは８周回4100ｍの優勝戦となります。
もちろん今日は、この優勝戦の展望コラムにて、皆様のご機嫌を伺います。

昨日の準決勝・・・予報では「いつ雨が降り出すか」だけが焦点だった空模様。10Ｒの試走までは完全良走路で行われましたが、10Ｒ発走数分前からポツポツ降り出した雨が、直後のレースでは微妙に影響。試走3.25で人気の双璧であった木村武は完全にタイヤを滑らせて本来の走りが影を潜め、優出を逸する波乱。この後は雨が強くなり、11Ｒ以降は完全な湿走路に。良走路では敵無しの勢いであった鈴木圭、高橋貢の優勝候補２選手も、湿走路巧者の前に、優出を逸する形となりました。

波乱を制し優出を決めた８選手が元々の主力ハンデという事もあってか、まず優勝戦のハンデ構成は「枠番選択による０ｍオープン」となりました。１着グループの予選成績上位、筆頭は唯一無傷の４連勝で勝ち上がった田村治。選択したのは１枠。以降、選択順＝枠番で埋まって行ったようです。

地元伊勢崎２騎に対し、遠征６車が挑む、2017年最初の記念開催の優勝戦、果たしてどのようなレースとなるのでしょうか。

そして、最も気になるのが天候および走路状況ですが、予報では昼～午後からは晴れマークが出ており、昨日とは異なり強めの風が吹くとの情報。日差しと、乾かすための風があれば、良走路の想定で良いでしょう。

それでは、今日も１車１車の短評形式で、前予想をしてみたいと思います。



①田村　治郎　（伊勢崎）　ハンデ　０

メンバー中唯一、開幕から無傷の４連勝。一転湿走路となった準決勝も、巧者・岡部聡を破っての１着と、波に乗っています。枠番選択となり、選択権１位で選んだのが最内枠。田村治と言えば一般的に懸念されるのがスタートという事になるでしょうが、少しでもスタートで好位置を取れるように、という選択なのだろうと考えられます。今節（というか近況全般）、スタートは特段悪いわけではありません。また、勝負処では強烈なスタートを切る実績も有ります。勿論この優勝戦、包まれるリスクを伴う最内枠を選んだからには、整備面含めスタートに賭けてくる事は十分考えられます。早川清、浦田信という銘柄級は乗ってきたものの、スタートで確実に脅かされそうな鈴木圭などの一線級の名前は有りません。この位置を活かし、トップスタートからの逃げ展開になった時、近況の機力を考えれば、完全Ｖ含め、車券圏内に残る可能性は大いにあると考えています。


②早川　清太郎　（伊勢崎）　ハンデ　０

まだ雨が降り始めていない試走段階では3.24という驚異的なタイムをマーク、近況は鈴木圭に匹敵する「試走のツートップ」と言える実績を残しています。その中でレース直前に降り出した雨は微妙に走路を濡らし始め、見た目は良走路でしたが実際は水分を含み走りにくい走路になっていました。タイヤはもちろん晴れ用（試走3.24が物語るように）、その中でも気力で乗りこなし、見事に速攻決めての１着。地元からキッチリ優出を果たしました。
再び良走路が想定される優勝戦では、常に本走でも3.3秒台で纏めているように機力は上位級、当然此処は勝ち負けの１車・・・ですが、気になるのがスタート。近況こそ、ハンデ戦における外枠からのカマシスタートはバシバシ決まっており、そのようなハンデ位置でのスタートに関しては完全に体得した印象ですが、やはり「０ｍオープン戦における内寄りの枠からのスタート」に関しては、まだ不安が有ります。それでも、昨年末のSSトライアル３日目では、０ｍオープンの３枠の位置から、他車のフライングで仕切り直しとなった２回のスタート共に強烈な伸び、成立した２回目ではトップスタートを切ったように、整備がハマった時などに見違えるスタートを切る事もあるのですが、今節初日のドリーム戦ではスタートで伸びず、後方からの追込展開となっています。この時に外寄りの枠から強烈なスタートで畳み掛けたのが浦田信。今日も同じようなハンデ位置構成です。


③浦田　信輔　（飯塚）　ハンデ　０

岩沼靖、西原智に続く３番手で、このままでは優出叶わずかと思われた中でも、僅かな可能性に一歩も退かないレースぶり。西原智のインを一心で狙い、これを捌き切っての１着。2017年も、勝負根性は業界随一。SS王座戦に進めなかったリベンジとばかりに、キッチリと優出を果たしました。
鈴木圭、高橋貢、木村武の争覇級が相次ぐ脱落、メンバー的にも格落ちの感がある中、好枠をゲット。初日ドリーム戦で見せたトップスタートが表すように速攻も決まっており、まずは主軸と考えて良いかと思いますが、留意すべきは、特にハイスピードレースが展開された時の対応。気になる存在は、やはり内枠を占める地元スピードレーサー２騎。此処に主導権を取られ、ペースを上げられてしまうと、それを追走の上逆転するまでの対応力はやや足りないと考えています。


④大木　光　（川口）　ハンデ　０

準決勝では得意としている湿走路に変わり、内々を攻める本来の走りを披露。同地区同期の山田達との１着争いを制しました。
それまでの３日間（良走路）の実績からは、争覇級と比べるとやや足りない印象（本走3.40を切れていない）。3.3秒台のハイスピードレースになる事が予想される優勝戦では、機力面で更に上のレベルが欲しいところです。


⑤山田　達也　（川口）　ハンデ　０

準決勝は湿走路、前述の通り同地区同期の大木光とのワンツーを決めました。
大木光同様、良走路ではややタイムが足りない面もありますが、１つ可能性を見出すならば、気象状況。今日は初日のように強めの風が吹くコンディション（風速５～９ｍ？）が予想されており、その初日で１着（試走3.34、本走3.388）を決めている点は特筆すべき点かと思います。優勝戦試走後に発表される走路状況をチェックの上、強めの風が出ているようであれば、（おそらくは穴になるはずなので）少しだけでも押さえてみるのが良いかもしれません。


⑥伊藤　信夫　（浜松）　ハンデ　０

岩沼靖、西原智、浦田信の３車による首位争いを見る形で追走していた準決勝、この叩き合いの混戦の中で内から巧く掬って２着を確保。昨年末のSSシリーズ戦に続く優出となりました。
当人のコメントからは機力面でもやや弱気な印象ですが、その後の波乱により争覇級が優出を逸する状況から鑑みれば、このメンバーなら戦えるレベルにあるという印象です。また、地元では何故か切れないスタートが、遠征ではここ一番で決まる印象も有り、うまく先手を取って前団でレースを展開出来れば、車券圏内に割って入れる状況にはあると考えています。


⑦岡部　聡　（山陽）　ハンデ　０

準決勝は得意の湿走路となり、田村治の後塵を拝したものの２着での優出となりました。
良走路が見込まれる優勝戦は、枠順を考えるとスタート速攻力ではやや見劣るだけに追い込み展開となりそうで、混戦での追込みでどこまで車券圏内に食い込めるかどうかの位置付けとなりそうです。


⑧久門　徹　（飯塚）　ハンデ　０

直前で降り出した雨により、走路がうっすら濡れかけた、非常に不安定な状況の下で行われたレースを２着で乗り切り、今大会ディフェンディングチャンピオンが再び頂上決戦に名を連ねました。
外枠に置かれましたが、本来得意としているカマシスタートが決まればチャンスも広がるかと思います。ただ、気になるのが、今日の優勝戦での風予報。初日・２日目が同様に強風の中のレースとなり、共に大敗を喫しています。走法的に外目一気の部分がある中で、体重の軽さ（公式発表で53.9kg）が影響しているのかもしれません。この枠順に加え、このマイナスファクターがあるため、強くは推せない状況です。



以上を踏まえて、前予想の目は以下の通りです。

[2017.01.09]　伊勢崎
G1シルクカップ・最終日
【12Ｒ】優勝戦　　4100m（８周）
良
◎①田村治（伊）０
▲②早川清（伊）０
○③浦田信（飯）０
　④大木光（川）０
注⑤山田達（川）０
△⑥伊藤信（浜）０
　⑦岡部聡（山）０
　⑧久門徹（飯）０

いかにも③浦田信がトップスタートを取りそうな枠番構成、スンナリ内が凹むならアタマも十分・・・とは言え気になるのが、特に①田村治のスタートに賭ける前準備。トップスタートから逃げる展開に持ち込めば、ハイスピードレースになる可能性が高く、そのまま押し切りの場面も。おそらく③浦田信に人気が集まると考えられるため、①田村治のアタマ勝負はオッズ的にも魅力十分。

＜良走路＞
本線（３単）：１＝３－２５６
押え（３単）：１－２－３５６、３－２－１５６
押え（２単）：２－１３


さて、５日間の激闘のクライマックス。どんなレースになるのでしょうか。

本日も、少しでも車券のお役に立てれば・・・と思います。