皆様、おはようございます。

山陽オートで開催中のG2・若獅子杯は、今日が最終日。最終12Ｒは８周回4100ｍの優勝戦となります。
もちろん今日は、この優勝戦の展望コラムにて、皆様のご機嫌を伺います。

雨は上がりつつあったものの、湿走路と言う割には3.5秒台の試走タイムも出ており、「斑に近い湿走路」という、何とも微妙な走路状態で行われた準決勝。軽ハン勢でも湿走路巧者が勇躍する中、今回のＶ候補筆頭と目されていた、今年の最多勝争いを演じている２人・・・青山周、鈴木圭の両雄が優出を逸するという波乱。更にはやはり優勝候補の一角を成していた29期のSGウィナー・金子大もあと一歩で優出を逸し、大荒れのレースは無かったものの、一筋縄ではいかなかった、そんな印象を抱かせる準決勝でした。

迎える優勝戦は、ハンデ据え置きの０～20ｍのハンデ戦となりました。
そして、青山周こそ不在であるものの、伊勢崎勢が大挙４名優出。この若獅子メンバーを中心に、全日本選抜では好レースを見せた高橋貢も、絶対王者の称号は渡さぬと血気盛ん。今、「層の厚さ」という意味では、この伊勢崎が最もそれに当てはまる地区かもしれません。

今日の山陽小野田市の天気予報は終日曇り。微妙ではありますが、夜には晴れる予報ともなっており、雨マークも無い事から、良走路、しかもそれなりにスピード走路になると見込んでおり、今日は良走路一本の想定と致します。

そう考えると、それなりに良走路でも良績はあるものの、準決勝が湿走路になって「恵まれた」メンバーも見え隠れしており、この辺りをキッチリ見極める事で、ある程度絞れるのではないか、という気がしなくもありません。たぶん。

それでは、今日も１車１車の短評形式で、前予想をしてみたいと思います。



①山本　智大　（山陽）　ハンデ　０

まずこの選手は、いわゆる「試走偏差の少ない」選手。試走タイムがある程度劣勢でも・・・例えば3.40近辺でも、本走を3.43～44ぐらいで纏めてしまう事がよくあります。実際、初日は試走3.41に対し本走は3.442で纏めていますが、これは決して珍しい事ではありません。この選手の特徴でもありますので、是非覚えて頂けると幸いです。
その上で、今日も試走タイムは「出ても２日目の3.37近辺」という事になるでしょうが、スタート力があるだけに、10ｍ３車のメンバー構成から考えても叩かれる心配は無さそうで、単騎０ｍを利して序盤は引っ張る展開になるでしょう。それを最後まで持たせられるかは、後ろから追いかける主力勢に懸かっています。


②森本　優佑　（飯塚）　ハンデ　10

３日目（試走3.36、本走3.505）は明らかに展開負け。10ｍ後ろの鐘ヶ江に叩かれ、引かざるを得なくなった展開の悪さが尾を引いています。
今節、総じてスタートに関しては悪くなく、今日も枠なりをキープ出来れば、というところでしょう。但し、前がやや引っ張りが強そうで、展開的に「抜け出すより前に後ろにやられる」パターンかもしれません。本人も、優出インタビューで明らかに「湿走路期待」のコメントを出しています。「ファンの皆さん、明日はてるてる坊主を逆さにしてください」、それを額面通りに受け取れば、「良走路では足りません・・・」という事になるでしょう。


③栗原　俊介　（伊勢崎）　ハンデ　10

今節は、10ｍ前ながら外寄りのハンデ位置もあってか、スタート（出足）に関してはやや勢いを感じない印象を抱かせますが、特に３日目はそれを道中の動きが補っていました。試走3.32の勢いで、先行された藤波直を早めに捌くと、前に進出し、3.415で勝利を収めました。
展開面でもしかしたら注文が付くかもしれませんが、優勝戦だけに目イチで切ってくると考えれば、何とか枠なりはキープ出来そうな印象で、その形から３日目の再現で早めに前に進出となれば、Ｖ戦線の一角に入ってくる余地はありそうです。


④緒方　浩一　（山陽）　ハンデ　10

今節の良走路、とにかく目立つのが３日目にマークした本走「3.389」の超抜タイムです。初日3.441、２日目3.479と比較しても段違いのタイムですが、これだけで「仕上がった」と考えるのは、やや尚早な気がします。連日のレースリプレイを見る限り、３日目は完全に「展開勝ち」です。10ｍ３車並びの大外ながら、内に控えるのは中山透、田中輝とややスタートに課題有るメンバー（中山透はスタート白煙で立ち遅れ）、これを制してのトップスタートから早めに０ｍ勢を捌いての逃走劇。試走タイムが3.33に上がっていた事も勝因の１つではありますが、明らかに前２日と違う「展開の利」が向いた事が、このタイムに表れています。
型にハマれば、これだけの威力、タイムポテンシャルを持つ選手ですが、主力10ｍ前が定位置になってしまっているのは、展開によって良し悪しが出やすい、いわゆる「ムラがある」タイプである事に拠ると思われます。スタート展開も含めて「型にハマるか」どうか、今日もポイントはその１点です。やはり勇躍の条件は「スタート先行」だと思いますが、今日のメンバー、②森本優も③栗原俊もスタートは悪くないですので、一転厳しくなる可能性は否定できません。３日目の本走のイメージで売れるようなら、ちょっと嫌ってみたい気もします。


⑤岩科　鮮太　（浜松）　ハンデ　20

準決勝は不安定走路を乗りこなし、試走１番時計の早川清の追撃を振り切っての１着。とにかくこのレースは、トップスタートからの速攻が決まった事が勝因と言えるでしょう。
それでも、この選手のトップスタート自体がやや珍しい印象で、完全な良走路となると今節はやや足りない印象です。着順はそれなりに纏まっていますが、試走からしてやや一歩足りない印象、これにやや早いスタートが行けていないところもマイナス材料です。外枠勢のスタートが切れているため、１コーナー迄に包まれてしまい、引かざるを得なくなる、そのようなシーンが想像されます。


⑥吉原　恭佑　（伊勢崎）　ハンデ　20

従前、スタートに関しては余り良くないイメージを抱いていましたが、近況はこのスタートに関してかなり改善が見られています。今節もタイミングからチェンジ後の伸びも含めて、スタートに関して高評価を与えて良さそうです。主力勢に比べるとやや機力面で劣る部分がありますが、一線級は軒並み敗退、良走路で抜群の動き見せる主力勢は居ないだけに、スタートから巧く抜け出せればチャンスは十分と見ています。この主力外３車（吉原恭・新井恵・早川清）は、初日12Ｒファンドリームの再戦（並びも同じ）。この中で、スタートも先行、最先着を果たしている点も評価の対象です。
プレミアムカップを制し、G1ウィナーの仲間入り。その勢いを、今度は良走路でも見せてくれる事でしょう。


⑦新井　恵匠　（伊勢崎）　ハンデ　20

準決勝は、近況の湿走路巧者ぶりを発揮しての強捌きで１着。唯一保持している記念のタイトルは、２年前のこの大会です。その意味では、今回もキッチリ優出と、相性を感じます。強烈なスタート一発と、決してあきらめないレーススタイルで、この選手からは何度も車券を獲らせて頂いています。その個人的な感情も含めつつ期待したい１車ですが、実は今回の良走路に関しては、そこまで良い印象が得られていません。スタートはそれなりに切れており、着はそれなりに纏まっていますが、道中の伸びもそこまで良い印象がありません。それでも３日目には試走3.30が出ており、機力面では上位。主力勢が居ない此処、トップスタートあれば逆転まで、という単穴候補と考えています。


⑧早川　清太郎　（伊勢崎）　ハンデ　20

ここまで１着が無く、「優勝候補級のちょっと下」という位置づけでしたが、主力勢が軒並み優出を逸し、回ってきた最重ハン大外の位置となります。スタートに関しては課題の多かった選手でもありますが、近況は「カマシスタート」という新たな武器を身に着けつつあります。それでも初日・２日目は、その勢いが影を潜め、従来の「後方からの追い」という感じでしたが、３日目はうまく出足が付いて、カマシ気味のスタートが決まりました。
優勝戦は８周回に距離が延び、そのカマシスタート＋本来の「追い脚」が加われば、十分優勝候補圏内と言えるでしょう。



以上を踏まえて、前予想の目は以下の通りです。

[2016.10.23]　山陽
G2若獅子杯・最終日
【12Ｒ】優勝戦　　4100m（８周）
良
注①山本智（山）０
　②森本優（飯）10
△③栗原俊（伊）10
　④緒方浩（山）10
　⑤岩科鮮（浜）20
◎⑥吉原恭（伊）20
▲⑦新井恵（伊）20
○⑧早川清（伊）20

展開面では単騎０ｍから①山本智が引っ張り、序盤の展開を作る。10ｍ勢は枠なり、20ｍ勢は⑥吉原恭がスタートを決め、外２車が続いて行くと想定する。
①山本智は試走偏差が少なく要注意であるが、それでも3.44が一杯の現況では、少なくとも3.40～41くらいは出そうな主力勢の方に分がある。スタートから自分の展開に持ち込む⑥吉原恭を中心に、逆転含みの外２車への狙いが中心。③栗原俊が早めの抜け出しで穴目一考。

＜良走路＞
本線（３単）：６－７８－１３７８
押え（２単）：８－６７、７－６８


さて、５日間の激闘のクライマックス。どんなレースになるのでしょうか。

本日も、少しでも車券のお役に立てれば・・・と思います。