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マイ・バック・ページ

2018/06/23 10:34 閲覧数(513)
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 酷寒酷暑の昔の競輪場は朝一から最終まで平気だったのに、あの頃と較べ随分居心地が良くなった今の競輪場には半日で疲れてしまう。
 内馬場から観戦したり、正面スタンドの階段を昇って双眼鏡で高みの見物――。気分転換にトキノミノル像までわざわざ戻ったり、一丁前にパドックで馬の歩様を視たりして――、我が庭のように歩き廻った府中競馬場だが、今やあの広大さに臆して訪れるのをずっと躊躇っている。
 新宿駅から原宿まで歩く。古着屋を廻りながら時間を潰し、渋谷へ出る。井の頭線の駅の近くでよく食べた百円ラーメンは軀にしみこむように美味かった。西武園競輪場から東村山駅、京王閣競輪場から調布駅なンて鼻唄まじりだったし、大宮競輪場から大宮駅もしょっちゅう歩いた。松戸競輪場から新松戸駅まではちょっとあったかなァ――。今じゃすこしの距離を歩いただけですぐ脚にくる。一日中履いても疲れないというふれこみの靴下を購入し頼ったりするものの、基がオンボロなのだからどうしようもない。
 〽穴の開いた財布が僕に/金をくれ/金をくれという/青空が僕に無理やり/呑気さを要求する/僕を怖いと云ってくれた/友人もはるか想い出の中/あ~あ あの頃の僕より今の方がずっと若いさ――と、真心ブラザーズがディランの『マイ・バック・ページ』に日本語を載せて唄っているが、あの頃の俺より今の俺は随分と老けた――。
 世間は週末、俺には只の閑日、さあ何処を彷徨おう――。
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