京浜東北線の進行方向に向かって左側のドアに俺はからだを預けていた。東十条駅から乗った男が三人がけの椅子の端(俺の斜め前方至近だ)に座るなり、携帯電話をいじりはじめた。男の左手には数字が羅列された――覗き込むわけにはいかないが「1-5」とか「3-10ー8」みたいな二つか三つの数字の組み合わせばかりで、所々×印で消されていたりするのが見えた――A4の大きさの紙片があった。男は黙々と数字を入力しているようだ。打ち込みを一息ついたのは田端駅をすぎたあたり、男は黒いナイロン製の手提げバッグから予想紙の「優馬」を取り出した。上野駅で降りた男の足元は白いスニーカーで、俺も同色のスニーカーを履いていたので尚更シンパシーが湧いた。
数時間後、俺は銀座の馬券売場の六階に居た。有人式の穴場に於ける人間模様(?)を見るでもなく見ていると、テレビで正装した三人の男が国家を唄いはじめた。もうすぐスタートだ――。
四番も十三番も二番も買っていない俺は足早に館外へ出たが、日曜日の銀座の街は人ひと人で賑わっている。そして外国人の観光客が目立つ。日本人ばかりだったウインズ銀座とは真逆であった。
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