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第二話・伊東競輪と柴田浩

2014/04/27 23:58 閲覧数(1322)
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 この仕事に就く前だから三十年近く前だ。評判だった柴田浩(54期・引退)を買いに俺と友人某は伊東競輪場に遠征した。準決の日だったと思う。結果は栃木の福田祐治に逃げ切られたか捲られたか。ともかく柴田は二着で俺らは〈特観席〉で暫し動けなかった。掃除の人も集まりだしたから重い腰を上げたが、競輪場の外にはバスもタクシーもない。伊東の駅まで二人で歩くはめになった。〈B銀行保養所〉、〈A建設研修所〉……、門扉の表札を読むでもなくダラダラ小一時間。弱り目に祟り目で脚は棒のように重かったはずだが、不思議なものでたまに思い出すと、それは懐かしく優しい風景になっている。
 伊東共同通信社杯・三日目〈第十一競走〉深谷知-岩津裕-小倉竜ならストレート車券かなアとも思うが、振り払って捻る。二次予選は園田匠-小倉竜と並んでどっちも渾身のハンドル投げだった。説明不能も⑨⑦⑧と⑨⑧⑦の三連単。

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