自室のリクライニングチェアは私を眠りに誘う達人である。食後に腰かけオットマンに足を投げ出すと途端に眠気をもよおす。
半分うとうとしながら午後の競輪を見ていた。
十一レースで舞子車券が出たあたりまでは記憶があるのだが、意識が戻ったときには優勝選手のインタビューらしき映像だった。寝ぼけまなこでようやく九番車であることを認識した。犬伏? 乗っているはずもない犬伏湧也の名前が一瞬頭に浮かんだ。過去のどごぞのレースの九番車の犬伏の記憶と混濁したのだろう。数秒後、ああ、簗田が勝ったのだ。やっと正気に戻った。部屋には絞った音量でカーティス・フラーが流れている。
パソコンが置かれた机の前まで移動してVTRを見た。
車券がはずれたのは明々白々なのに、阿部将大の捲りがいい勢いなので思わず力が入ってしまう。自分の馬鹿さ加減に自分で笑いそうになった。
どうやら昨日の競艇の疲れが出たらしい。
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