皆様、おはようございます。
4/26(日)、今日のオートレースは、飯塚のSG・オールスターオートレース(ナイター)が2日目を迎えます。
・・・ですが、今日は予想の方はお休みさせて頂きます。
既に報道等もされておりますが、昨日の飯塚・SGオールスターオートレース初日12R「スターセレクション」が、発走合図機の不具合により競走不成立となった件について、Gambooオートレースコラムニストの1人として思う所有り、下名なりの考え方をしたためておきたいと思い、緊急寄稿という形を取らせて頂きたいと思います。
下名の拙文による予想を楽しみにして頂いている皆様におかれましては、現状そもそも週末のみの更新となっている上での話で、誠に申し訳なく思いますが、今日に関しては心情的にもそういう気分にはなれない・・・というところをお察し頂けると幸いです。
まず、事の顛末につき、ファンの視点から見える部分における事実関係を纏めておきたいと思います。
・1回目のスタートで、不適正発走を知らせる赤ランプが点灯。
(出残りや落車等は無かった為、フライングを知らせるものと考えるのが一般的。)
↓
・しかし、対象車番がなかなか発表されない。
(通常であれば、選手が2回目のスタートにつくまでには発表されるが、なかなか発表されない。)
↓
・全車が2回目のスタートについたが、係員は離れず、そのまま待機。
↓
・しばらくして、対象車番が「1」(=佐藤摩弥選手)である事が発表される(発走合図機上部の車番部分にて「1」が点灯)。
↓
・その後も係員の退去指示が出ず、しばらく待機。(1~2分くらい?)
↓
・全車ピット帰還の指示。ピットに戻される。
↓
・審判長より、発走合図機の不具合のため不成立の旨、アナウンス。
↓
・その後CS放送のエンディングにて、佐藤摩弥選手のフライングの取り消しが報告される。
その後、飯塚オートレース場のオフィシャルサイトにて、公式文書として以下の文面が掲載されました。
公開情報ですので、以下に引用させて頂きます。
===(↓ここから)==========
競走不成立について(お詫び)
4月25日第12レースは、発走合図機の不具合により競走不成立となりました。
お客様には大変ご迷惑をお掛けし申し訳ございませんが、ご了承の程お願い申し上げます。
詳細につきましては次のとおりでございます。
◇競走不成立とした理由
発走合図機不具合のため審判長が不成立を決定した。
◇1回目のフライングの判定について
1回目の発走におけるフライングの判定後、発走合図機に不具合が生じたため、
1回目のフライング判定については信用性に欠けることから、
審判長がJKAと協議のうえ、罰則を成立させる事が適当ではないと判断し無効とする決定をした。
◇手旗発走としなかった理由
お客さまの信頼面を考慮し当該レースについては、公正安全なレースの続行が不可能と判断し
審判長が決定した。
◇12レースの勝ち上がりについて
番組編成細則に基づき、オールスターオートレース優先順位により勝ち上がり順位を決定した。
開催執務委員長
===(↑ここまで)==========
では、上記の公式文書の内容に基づいて、以降、私見を述べさせて頂きます。
まず、不成立とした事自体は妥当であったと思います。
SNS等を参照しますと、「手旗発走でも良かったのでは?」という意見も有り、それもまた1つの考え方ではあると思いますが、下名としては以下の2点が引っ掛かり、不成立は「止む無し」と考えています。
・佐藤摩弥選手のフライングについての扱いが曖昧なまま発走を強行する事になり、少なくとも選手の心理面において公正安全な状況とは言えない。
・そもそも手旗発走の前提で車券を買っていない。
(これまでの発走合図機故障のケースでは、車券発売中に手旗発走となる事は分かっている状況。)
また、「◇12レースの勝ち上がりについて」の内容も、番組編成細則に基づいていますので、何ら異論は有りません。
つまり、「◇」の2点目以外については特に口を挟むつもりは有りません。
ただ、この「◇」の2点目、「◇1回目のフライングの判定について」の対処に関しては、疑問に思う点が有ります。
「1回目の発走におけるフライングの判定後、発走合図機に不具合が生じたため、」とありますが、それにしては、赤ランプが点灯してから、フライングの判定に至るまで(対象車番が発表されるまで)に時間が掛かり過ぎています。
前述の通り、全車が2回目のスタートについた後しばらく経っても発表されませんでした。フライング対象車が複数いる場合に、発表までに時間がかかる事はよくありますが、それでもここまで時間が掛かったケースは見た事が有りません。結果的に発表は1車のみでしたし、これは明らかに異常事態が発生している事を意味しています。
ここで大きな疑問・・・「1回目の発走におけるフライングの判定」は本当に正しかったのか?
即ち、フライングの判定時点で、発走合図機に不具合が発生していたという疑念があったのではないか?という事です。
そうでなければ、1車のみのフライング判定にあそこまで時間が掛かる理由が見当たりません。
何らかの検討が行われていたと考えるのが自然です。
もし仮に、まさかとは思いますが・・・そのような「信頼性が疑われる」状況の中でも、「早いとこ発表しないと、時間も無いし、みんな待ってるし」みたいなところから発表してしまったのだとしたら、その姿勢には疑念を感じざるを得ません。
そのような場合には、「事実が分かるまで、或いは方針が決まるまで、一旦調査中(検討中)として待ってもらう旨のアナウンスをする」べきであると考えます。
フライングの宣告は、即勝ち上がり権利の喪失を意味しますので、選手にとっては非常に大きな意味を持ちます。それだけに、慎重を期すべきである事は、下名ごときが言うまでも有りません。
そして結局最終的には、佐藤摩弥選手のフライング判定は取り消しになったのですから、フライングの発表だけが余計でした。
下名が本職で身を置くシステム業界だけでなく、どのような業界でもそうだと思いますが、何らかの異常が発生した場合、その「初動」の取り方が重要になってくると思っています。
そして、とにかくこのような問題で重要なのは、「その後に何をすべきか」です。
昨年10月、競輪の方で大規模なシステム障害が発生しました。
その際、昨年10月6日の当コラム(「【緊急寄稿】競輪のシステム障害について考える」)にて、本職の方でシステム開発の現場に身を置く者として、以下のように述べさせて頂きました。
『まず、このテーマに対する「下名なりの考え方」としての結論を申し上げておきますと、「基本的に原因の無いシステム障害は存在しない」、なので「原因究明が出来ないという事は無い」、なので「それを受けての再発防止策が立てられないという事も無い」、というか「そこまでの報告が無いと、システム障害で被害を受けている方(我々の業界で言えば、そのシステムの納入先、ユーザ様)がそもそも納得しない」、従って「原因究明および再発防止策を確実に立て、それを利用者に説明する事に拠り、問題は収束するものである」という事です。』
(中略)
『ただ、冒頭で示した通り、「原因究明および再発防止策を確実に立て、それを利用者に説明する事に拠り、問題は収束するもの」です。その点においては、オートレースでもそうなのですが、これまでこの業界においては、あまりその部分までをキッチリ示してもらえていなかったような気がしています。今回のケースにおいて、システムの利用者、ユーザ(お客様)は、まさに我々という事になります。起きてしまった事はもう取り返しようが有りませんが、いかにしてこの問題を、利用者側に納得してもらう形で収束させるか、という事が、ひいては信頼を獲得できるか、失ってしまうかの分水嶺になる事は、敢えて下名から申し上げるまでも無いでしょう。
もし仮にですよ・・・、そんな事は無いとは思いますが、「利用者に説明しても分からないだろうから、別にいいんじゃない?」というような考え方が蔓延っていたとしたら、それはもう信頼がどうとかというレベルでは有りません。「またもしかしたら、同じ事が起きるのでは?」という疑心暗鬼を生み、「それだったら嫌だな・・・」と言って、離れて行ってしまう利用者が出てきても何ら不思議では有りません。それでいいんだっけ?この業界・・・という事です。』
上記の事は、競輪情報システムでも、今回の発走合図機不具合も(これも発走合図機というシステムの不具合)、またそれに限らず、社会で利用される、ありとあらゆる「モノ」について通じる話であると考えています。
・・・正直なところ、この「発走合図機不具合」は、これまで何度も発生していました(特に飯塚オートレース場で)。その度にこういう話をコラムに取り上げているのですが、まぁ大して影響力も無いですし、結局何の原因究明も再発防止策も取られているのか取られていないのかよくわからないまま、ここまで来てしまった・・・そこへ来て、最も重要なSG開催の、ファン投票で成り立っている「オールスター」という開催の、それも初日のメインレース、昨年覇者+ファン投票上位7選手によって争われる「スターセレクション」という、本当に大事なレースにおいて、結局「また」発生してしまった(しかも今回は「フライング宣告⇒取り消し」という「前代未聞の判定覆り」というおまけつき)という事態が、いかに深刻であるか・・・。
それでも「きっとどうせ変わらないだろう」という、半ば諦めの気持ちがあるのも事実なのですが・・・
ただ、それでも下名としては、毎度毎度の繰り返しでもとにかく訴え続ける事しか出来ませんので、「またその話かよ」という印象を持たれた方も多数いらっしゃるかとは思いますが、ご勘弁願えればと存じます。
たった一度の人生において、生涯を共にできる趣味として出会う事が出来た「公営競技」、特に「オートレース」というものを、簡単に見捨てたくはありません。
長文になってしまい申し訳ございません。
最後までお読み頂き、感謝申し上げます。
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