幼少時に住んでいた東京都下の自宅の私道を挟んだすぐ前は一面の畑だった。お百姓さんが作業している記憶もうっすらとだが残っている。私が小学校に上がる時分だと思うから昭和三十年後半あたり、前の畑だけじゃなく、近所の畑、原っぱ、空き地にどんどん家が建ちはじめた。それでも野球をしたり缶蹴りをしたりする場所はまだまだ残っていたけど、近所の、町内の、景色が様変わりするのに、子供ごころに途惑うというか、落ち着かない気持ちになった。と記したはいいが、早生まれで何をやっても同級生より手が遅い私に、そんな気分ほんとにおこったのかしら。後付けの心地なのかも知れない。
様変わりした弥彦競輪場の二センターの景観がテレビ画面に映ると、建屋のなかった以前の二センターの景色を想う自分がいる。まだまだ頭の中の記憶は割とはっきりとした像を結ぶようにも思うけど、すでに薄ぼんやりとしているようでもあり、段々不安になってくるから、想い出すのをよした。車券の調子がよろしくないのはいつもの事だけど、そんな妙な不安も一因ではなかろうか。寝とぼけたようなことを書き連ねて恐縮であるが、不安なものは不安であるから仕方ない。理由が定まらぬから余計にやっかいでもある。
【寛仁親王牌決勝】昨日他欄に準決三番の予想を書いた。そのうち第十レースの拙文を採録する。「もしこの番組が私の人生最後の競輪だったとしたら南修二から流すけど、まだ暫くは競輪が出来そうだからそれはしない。今日(二十一日)は古性優作と山口拳矢の表裏。」――結果はきれいに古性と南の大阪ワンツーだった。
今日(二十二日)の決勝も私の人生最後の競輪ではないけれども、もしかしたら南修二にとっては(GⅠ制覇の)ラスト・チャンスやも知れぬ。南や南ファンには失礼だけどそんな気がしないでもない。だから裏目、無理を承知で⑦③の二車単を買います。
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