サブスクの音楽配信には懐疑的だったけど、いざ使ってみると、思わぬ佳曲に出逢ったりする。よろこばしい気分になる。何十年も前に、さしたる理由もなく「パス」したバンドを再認識することになったり、己の狭量ではとても見つけられない音楽を提示してくれたりする。
　スペインのコルドバを物見遊山する番組を見ていたら、多種多彩の古物で足の踏み場もない雑貨屋の店主が諭していた。「あなたが物を見つけるのではない。物があなたを見つけるのだ」と。ショッピング・サイト「アマゾン」が誘導する、「この本を買った方は、こんな本も購入しています」は好かないけれども、アマゾンのおかげで知った書物も数多ある。今に競輪の電話投票サイトにも、車券を打ち終わるとすぐに、「一－三、三－一の二車単を買った人は、一－四、三－四の二車単も買っています（押さえています）」、そんな提示がされる日が来るだろうか。もし、そのときを迎えたとしたら、案外素直に私は押さえるかもしれない。
【競輪ダービー決勝戦】決勝で眞杉匠－吉田拓矢にならないかしら。ぼんやりとだけど、そんなことを思っていた。昨年の西武園オールスターは、吉田「鬼神」の引っぱりで眞杉がＧⅠのタイトルを手中にした。吉田は引っぱりすぎの廉で暴走失格という厳しいペナルティを食らった。ＧⅠの借りはＧⅠで返す。私の好物である。吉田の後ろが、その眞杉を準決でズブズブに抜いた平原康多とは、競輪の神様も洒落ていらっしゃる。
　唐突ですが①③と③①の二車単を買います。まるきり安いだろうけど、この九人で走って、古性優作と清水裕友が単騎なら、表裏の車券を握り締め観戦するが、私の覚わったギャンブルである。一－三と三－一の二車単を買った人は……何も押さえない。