当欄に「競輪ダービーの初日と第二日に走る「特選」の三着権利は大きい。準決切符を賦与されるのだから。競輪ヒエラルキー上層の住人たちが、三着権利にしのぎを削る様を、三連単の車券で買うのは、競輪党冥利に尽きる」と書いておきながら、第二日の十レースを、「北井佑季の逃げは豪快そのもの。誰もが「北井の頸に鈴を引っかける」第一アタックの役を避ける。みんな第二アタック、もしくは第三アタックを策す。互いに見あう。まんまと北井の逃走劇」と他欄に記し、前言不一致の二車単で買っていた。
ふたを開ければ、お互い見あうことなどなく、第一アタックも、第二アタックも、第三のそれも速かった。またたく間に北井は圏外に置かれた。半世紀以上の人生において、第一アタックはおろか、第二も第三も、その役を演じたことがない私の戯言を嘲笑うような、痛快な競輪を見せられ、私はへらへら笑った。
『アタックNo.1』というバレーボール漫画(筆者が見たのはテレビのアニメだった)が人気を博したのは何十年前だろう。
ふっとそのタイトルが頭に浮かび、私はまた薄笑いの顔をつくった、誰も見ていないのに――。
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