私の車券にとっては邪魔な浅井康太、菅田壱道、松谷秀幸が七八九番手の一本棒に内心できたと思った。画に描いたような寺崎浩平-脇本雄太-村上博幸-犬伏湧也-松浦悠士-荒井崇博だ。犬伏の仕かけに併せ脇本が番手から出る。あとは松浦が内でも外でも、いや内だな、なんとかする。しかし、というか、やはり、というか、ぬかよろこびだった。打鐘で一瞬出かけた犬伏が逡巡するほど寺崎のピッチが半端なかった。終審がゴールとばかりに寺崎がスピードを上げに上げて、その上を脇本の番手捲り・対・犬伏の捲りなのだから、村上も、松浦も、離れた。
脇本に村上が離れるのは想定の内だった。でも犬伏に松浦が離れるとは想像もしなかった。というより松浦が犬伏を抜けない競輪もまるで頭には浮かばなかった。それよりなにより松浦が犬伏を残す競輪すら欠片も考えてはいなかった。
松浦-脇本が940円で脇本-松浦は780円。私が買った二車単の配当である。妥当なオッズだと思った。十分だとも思った。だけど濃淡はつけられなかった。三十代の私ならおそらく一点に絞ったことだろう。大銭ぶつなら八割二割の配分を脂汗流しながら練っただろう。おもてうら両方五分に買っている時点からもうすでに負けているのかもしれない。
締めにくっだらないことを記す。雄太、湧也、悠士、ユウ・ユウ・ユウでよかったんじゃあーりませんか。愚者の悪癖雑言である。
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