ふと思い立ったように支度をして川口オートまで歩く。
本人は急ぎ足のつもりだけど、はたから見ればわからない。四十代の頃、室内プールで平泳ぎの練習をしていたら、こちらは懸命に泳いでいるのだが、隣のレーンのお婆ちゃんに水中ウォーキングで楽々抜かれた。なんでジム通いなどしたのだろう。ま、オートに行くのもジムに行くのも理由が必要なわけではない。
到着したのは第十一レース締切十分前、一丁前に試走など確認しちゃったりして買ったはいいがかすりもしない、三連単九万円近くの穴にぐうの音も出ない。六番の複勝が無投票だと知り、そんな六番の三着など取れるわけがないと納得する私だが、一着の三番も二着の四番もまるで買ってはいない。
老朽化でじきに取り壊される旧スタンドがまだ残っている。朽ち果てそうな建造物を見ながら俺も一緒だなと暗くなったり、IさんやSさんと一緒に見物した粗末な座席や手摺りを思い出したり。IさんもMさんもとっくに鬼籍に入ってしまった。あぁ、そうか、ロープで封鎖している部分は、死んでしまったギャンブル好きのための指定席なのかも知れない。と馬鹿なことを考えた。
リニア新幹線の開通が二千何年だったか知らないが、そんな報道を見たり聞いたりするたび、俺は間に合わないなぁと一抹の寂しさを感ずる。せめて川口オートの新施設は拝めますように。
市会議員候補を乗せた宣伝車がレース場の前の道を通る。みな一様にがなっているようだがすぐ通り過ぎてしまうので何を言っているのかわからない。一人ぐらい近くに停めるかスピードを緩めて、オートレースファンの皆様毎日ご苦労様です、くらい言ってほしいものだ。
やわらかな日があたるベンチに座り、携帯電話を鞄から取り出し、武雄競輪の最終を見た。この前来た時、近くのベンチで初老の男が二人おなじように携帯で競馬を見ていて、見事当たったらしく騒いでいた。あやかりたいものだが、ひとりじゃ声をだすわけにもいくまい。なぁんてそんな心配は無用で、脇本雄太から抜けたのはいいのだけど、平原康多も佐藤慎太郎も買っていない。どうせ安いんだろう、高をくくっていたら、確定した払い戻しを見て、こんなにつくのかよと悔しがる愚か者ひとり。
まぁな、映像の武雄競輪より眼前生の川口オートだろう、やっぱし、と気を取り直していつもの定位置で見た。が、頭で買った佐藤裕二がやっとこさ二着ではグリコである。
帰りの足どりは当然重い。それでももの寂しいのかコンビニに寄ったりマーケットを覗いたり。
もうすぐ日が暮れる。
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