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これが競輪の正体だ

2022/11/08 12:10 閲覧数(520)
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 富山開催二日目の第三レースA級準決の一二番人気、犬塚貴之(愛知・117期)-加藤寛治(愛知・83期)-中野智公(和歌山・99期)の三連単を買った男がいた。所用があり出かけた電車の中。発送時間を取り逃がした男は慌てて携帯電話を鞄から取り出す。レースはすでに確定しているが「ダイジェスト 」のボタンはまだ効かない。いいやと「結果」ボタンをクリックすると一着加藤、二着犬塚、三着中野できれいに決まっていた。ふうむ逃げ残りの方か、やっぱり固かったな。出てあたりまえのような顔をした十分後くらいに「ダイジェスト」映像を見る男。――犬塚は別線の抵抗にあって雁行状態。加藤は見限り気味に一旦下げて捲りに転じた。中野は加藤にはぐれて仕方なく内を踏み上げている。加藤はぶっちぎりの独走。何とか雁行に決着をつけた大塚が二着(着差は八車身)、最内が空いて中野が三着に突っ込んだ。――苦笑する男。そりゃそうだ。「追込み・逃げ残り・マーク」の単純な競輪だとばかり思っていたのが「捲り・捲り残り・追込み」の複雑系だったのだから。
 これが競輪の正体だ。と男が独りごちたかどうかは定かではない。
 

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