競輪とは元来こういうものだ。とくに賞金の高いレースになればなるほど。
取鳥雄吾、よくぞインで粘った
深谷知広、よくぞ外で競り勝った。
二人には、いーいドラマ見させてもらいました。
「どうしても穴のマークは切れないんですよねぇ」と、いったのは後輩の某だ。
某曰く、◎○のマークは安いという理由だけで簡単に切れる。が、穴目の×や△から買う時は、どうしてもマークを切れない。いかにも脚負けしそうなマークでもむげには消せない。
マークは競輪という競技の最大特徴である。と、私は幾度書いたか知れない。が、いつしか――大ギヤの時代を迎え――スピード万能の競輪となるにつれ――マークを簡単に疑うようになった。今日の決勝も、意味なく理由なく、清水裕友からマークの月森亮輔を切っている。もちろん六番車だからと無考えで消したわけではない。新村穣・対・取鳥雄吾を想像している身とすれば、どうしても月森は付けはぐれる可能性ありくらい想った。しかしまァ、一字一句そのことに触れていないのだから、むげに切ったに等しい私であるのだ。
某君なら、もし某君が清水から買っているとすれば、月森の二着を、はずすことはなかろう。ふと、そんなことが頭をよぎった。
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