初日、二日の平原康多と岩本俊介の競輪に一抹のさびしさを抱いた私は、準決で、眞杉匠から平原を切り、深谷知広から岩本じゃない車券を買い、散った。競輪はミスをするゲームである。散々書いておきながら、ちょっと気に染まない景を見ると、感情を抑えられない。些細な好悪で理屈の立たない車券を平気で買う。ギャンブルの御法度を二度も犯した私に、いい目など残っているわけがなかろう。いっその事ふて腐れ気味に、岩本と平原の表裏とも思ったりもするけど、「それをやってはおしまいよ｣内なる声が聞こえた。
「思った事をすぐ口に出すな」――映画『ゴッドファーザー』のPARTⅢだったか、ボスのアル・パチーノが子分のアンディ・ガルシアの短気をたしなめる場面の台詞である。
【松戸記念競輪決勝】新村穰が深谷知広－岩本俊介－和田健太郎を引っぱるのは見え見えだけど、取鳥雄吾だって清水裕友が後ろじゃ「俺も引っぱる」となるンじゃないかしら。初手の位置、責任感の重さ、等々はさておき（置いてはいけないのは承知だけど）、単純な脚比べでは断然取鳥が優る。その思いこみ一点で清水裕友から。清水ラインを追っかけているのは平原康多だろうか。新村を見限った深谷－岩本－和田が猛然と仕掛け直す。ただ今回の私は、岩本と平原を買うことができないので、②⑤の二車単を買います。