準決三番をお復習い。
第九レース。三谷竜生を突っ張り、眞杉匠も突っ張った新山響平が一本棒にしてしまう。しかも全くたれず北トリオの独占劇だ。佐藤慎太郎は番手の仕事きっちり――というかシンタロウにとってはこのくらい朝飯前だろう。和田圭は最近の上昇気運そのままに嬉しい優参となった。ともかく新山が強いから、吉澤純平も山田庸平も三谷竜生も、ほとんど「惜しい」まで迫れない四五六着であった。
第十レース。九レースに続いての一本棒だが、脇本雄太-古性優作が犬伏湧也をぶっ叩いての一本棒だから、えげつないほどの強烈加速にあちらこちらで車間が空く始末に。脇本、古性、犬伏でそのまま入り、四五六着は三人ラインを持ちながら中団のままの吉田拓矢、犬伏に付いていけない小倉竜二、吉田任せで夢を見た長島大介。
第十一レース。立川競輪場の長い直線には魔物が棲んでいる。むかし友人がよく言っていた。どこの競輪場にも魔物は棲んでいる、走る方にとっても、買う方にとっても。深谷知広-郡司浩平-守澤太志となったとき、やっぱり守澤は上手いなと思ったけど、「そこ」が最悪の位置と化すのだから、やっぱり平塚にも魔物は棲んでいた。清水裕友の最大長所は仕掛ける勇気である。山口拳矢も香川雄介も「おりゃー!」と叫びながら(そなこともあるまいが)思いっきり踏んだことだろう。ガシャンという音で体がこわばったか深谷は粘れず四着、小原太樹も一瞬生き返ったけど及ばず五着、渡邉一成は落車を避け幸運の六着で順位決定に回る。
その【順位決定】は、優勝戦に地元が一人も乗っていないのだから、深谷知広が一肌脱いで(もう二肌も三肌も脱いでいるけど)、小原太樹が《第十位》の栄誉と賞金三百七十万を手にする。――①③、①⑤、①⑨。
【第七十七回日本選手権競輪優勝戦】実を申すと「第七十七回」が妙に引っ掛かっていた。浦和競馬場でいきなり枠の七-七を食らってからずうっと。でも七番車が犬伏湧也と知り呪縛は解けた。犬伏は買わない。一着も二着も三着も。なあんて明言しちゃったこの時点で私の方が「消し」なのかもしれないけど。
準決の犬伏は脇本雄太に相手にされなかった。というか力勝負の前にさっと行かれてしまった。よって今日はガンガン逃げる。だから買わない。代わりに番手の清水裕友の評価を一割二割上げたい。大雑把な画は清水の番手捲りの上を更に脇本-古性優作の捲り、要は◎〇から清水の三着だ。
新山響平-佐藤慎太郎-和田圭ラインを《しかと》できるの? あなたは。と訊かれたら、こわくてこわくて仕方ないけど切る。だって犬伏ラインの方を採ったから。じゃ理由にならんから、こうしよう。新山毎日強すぎる。ハード・ワークすぎる。オーバー・ワークを勝手に心配する。
山口拳矢? 彼の十八番、単騎で、最後の最後に届く捲り一撃は承知している。ファンでもある。が、ダービーの大舞台でその一発には食指は動かない。①⑨③と⑨①③。
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