中型テレビの画面で高知競輪を、卓上パソコンの画面で別府競輪を、音をださずに交互に見ていた。無音はさびしいので部屋には音量を絞った音楽を流している。
毎レース「出動」しているわけではなくとも、あちらもこちらも「見物」するとなるとけっこう忙しい。
別府の第五競走は各線見あった感じになり、赤板から押さえた上吹越俊一-加倉正義がすいすいと逃げきってしまった。すこし詳述すれば加倉も横にちょっと振ったし上吹越も外に動き別線を牽制したうえでのワンツーだった。二人ともやるなあ……おっと高知が始まる。
上吹越が一着失格(自ら捲りを止めに行ったとき相手の自転車を故障させてしまった)だと知ったのは別府の六レースが走る直前だった。加倉が一着にくりあがり二車単は万シュー、三連単は十万シューだった。こんな景色を見たことがある。ふいに思った。そうだ、吉岡稔真-加倉正義-大里一将で入った小倉の競輪祭だ。吉岡が逃げながら自ら神山雄一郎を持っていったやつ。吉岡の一着失格で加倉-大里がくりあがり、いわゆる「買えないズブズブ」は二車単五千余円の配当だった。
片や大レースの優勝、片やA級の特選一着――出来事の大きさは比べるまでもない。ないのだけれど、見た目逃げきりの一着失格でマークの加倉がくりあがる、そんな競輪がふたたび――調べて見たらあれからちょうど四半世紀がたっている――私の前に起ち現れたのだ。いったい何事の前ぶれなのかしら――そんな神妙な気持になってもかまわんでしょう。
しかし高知はむずかしい。一瞬五百走路ということを忘れる。が、やっぱり五百は五百だと思い直す。やっかいなバンクである。選手でもないのにバンクのせいにしている時点で先は暗そうだが、一点、前述の加倉に出くわしたことは吉兆のような気がしないでもなく……。
先ほどからもう五六回、ストーンズの『12×5』が回っている(といってもアナログ盤ではありません)。五回目か六回目の『タイム・イズ・オン・マイ・サイド』が流れている。
♪そう、これからがチャンス、そう、その通り。これからがチャンス、そう、その通り。これからがチャンス、そう、その通り。――訳詞を読んでこうリフレインしているのを初めて知った、半世紀近くも聴いてきたのに。
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