脇本雄太が内帯線と外帯線の中をもがく。番手の古性優作が外帯線のちょっと外に自転車を持ちだし抜きにゆく。浅井康太は更に外側のコースに出る。と、そこが平原康多がつっこもうとするコースと重なった。浅井の後輪と平原の前輪がからまり、最後は平原の頭が浅井の尻を押すような態でゴールした。本日(二十五日)最終レースの話である。私はその図がみょうにおかしくてひとり小声で笑っていた。必死に闘う二人にたいして失礼千万だろうけど、真剣勝負が生みだす偶然のコミカルは理由なしにおもしろく、上等な滑稽とでも言おうか、なかなか目撃できる代物ではない。本日は吉日なり。
【全日本選抜競輪優勝戦】第一感は、新田祐大にイン粘りはないかしら? というか、イン粘りすりゃおもしろいな、だった。新田が脇本雄太の番手を村上博幸から奪ったグランプリを連想した。「強い二人がぜんぶやってくれた」そんな感想を記した数年前のグランプリだ。結果は新田マークだった佐藤慎太郎の優勝、脇本二着、新田四着であった。そうか、のっとれば守澤太志の優勝になるんだ。ま、反論はやまとあろう。古性優作のところで競るのは得策とは真逆の愚策でしょう。そのとおり。やったらこわいぞー古性は。だけど新田-守澤-成田和也が阿吽の呼吸でやれば、もしかしてとも思うのだけど……。だいたいねえ、昔の大レースのここ一番は、叩かれたらたいがいイン粘りだった。引けない場面ならとびついた。先行屋が先行屋に体当たりしたものだ。ちょっと言いすぎた。固陋爺の世まいごとです。
①②、②①、①⑨、⑨①と買います。
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