初手から鈴木玄人-吉田拓矢-渡邉雅也-小原大樹になったけど歓んではいけない。突っ張らない限り、渡邉は切り替える。なぜなら四人の塊として下がれば、先輩の小原に四番手まわりを強いることになるから。案の定というか嘉永泰斗ラインの上昇に鈴木が下げると渡邉-小原は乗り替えた。「そうなるよねえ」つぶやく間もなく、すばやく渡邉-小原が嘉永ライン+阿部力也の四人を押さえた。イン切りだ。即反応した鈴木-吉田のカマシには脇本勇希が乗っている。むろん前で待つ渡邉-小原も鈴木-吉田の後ろに収まりたい。三番手はどっち? あっさり脇本だった。渡邉は風圧を受けながら。苦しい。脇本は鈴木-吉田のスピードをもらっている。楽だ。
私の買った車券の要所は、レースの要所でもあった。
イン切りなんだなあ。競輪なんだなあ。出来れば丹波哲郎の口調でつぶやきたい。
昨年末の大一番、兄の脇本雄太はなにもかもうまくいかず、苦渋をなめた。
今年頭の記念競輪、弟の有希はなにもかもうまくいって、勝利の美酒に酔った。
やっぱり競輪なんだなあ、漠然と思った。
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