映画人たるもの、四六時中映画のことだけを考えて生きる覚悟が必要である。
大監督の語録にそんな旨の心得が掲載されていた。
映画人を競輪記者に置き替えて、四六時中のあとの「映画」を「競輪」もしくは「車券」に替えたとする。ま、私は知らないが、どこかにはいるのだろう、そんな競輪記者が。
お前はどうなのだと問われたらこう答える。競輪のことを考えない日などない。一年三百六十五日。ただ時間はねえ、十分から長くても一時間がいいとこかしら(仕事に費やす時間は別)。
このごろ、よく昔の競輪場で見た猛者連中のことを思い出す。
レースが終わり確定が出るやいなや「ようし、また当たった!」と大きな声を発する男は京王閣の百円席にいたのだったか。場内の食堂に生卵持参でライスだけ注文する男。オッズがない時代、特券売場で、本命の組番の売り上げ枚数を穴場から仕入れているわけじゃなかろうが、ともかく一本被りの◎○を「今百二十円」とか、「百円になっちゃうな」などと誰かに伝えている男。受け聞く仲間が近くの公衆電話まで走った。
私が三十手前のときに見た、それぞれ六十風体の男性たちだから、元気ならばもう米寿をこえている。ま、仮に鬼籍に入っていたとしても、私の頭にふとあの頃の三人の記憶がよみがえるのだから、三人は死んでからもまだ生きていることになる。
〈松阪記念競輪決勝〉簡単に準決回顧。十レース。賭したくなる選手なりラインが見つからない。人気も割れていた。四角ハコの諸橋愛も、捲った三谷竜生-坂口晃輔も、展開に恵まれたとは言わないが、このレースに関しては「平板」な印象しか残っていない。
十一レース。道中で皿屋豊-大塚健一郎-浅井康太になっちゃった。その三人で捲るかたちで三番手から浅井。「浅井の方が年下でも、皿屋が「松阪練習」本当の地元といったって、浅井は遠慮なく踏むから」浅井から皿屋ではない車券を買っていたけど、大塚が一車割り込みちょうど良い地元ワンツーになった感じもする。
十二レース。吉田拓矢-吉澤純平のカマシに遅れた岡光良。某人気劇画の台詞を拝借すれば「お前はもうすでに離れている」岡が二着に生き返るのだから競輪はやっぱり何が起こるかわからない。太田竜馬の捲りも雨バンクゆえかもしれないけど力感は感じられず。間近の前と横で落車発生も「すり抜けた」山田久徳にぶっとい「つき」を想った。
自分の庭とも言える松阪バンクでの記念競輪だ。皿屋豊の胸奥に「自分が獲りたい」という気持ちがないわけはない。しかも浅井康太も坂口晃輔も年下だ。だけど「容赦しない」スタイルに徹してきたからこそ、浅井という超一流レーサーができあがったと記せば語弊もあるか。
準決と似た性行の車券、浅井から皿屋じゃないとこだけど、マークは坂口かあ。坂口のヨコ、ガッツは認めている。が、幾度かの入れ替わり必至の記念決勝だ。ダッシュ負けの心配がつきまとう。あとは……太田-大塚、単騎の諸橋、三谷-山田-岡。岡は近畿の後ろなんだ。うん、この一車は大きいと独善の思い込み。三谷の良い意味での「ワンパターン」を実践しやすくなった? 番手は「つき」の鎧をまとう山田である。
①⑦の二車単と①⑦⑤の三連単を買い、①⑤⑦の押さえとします。
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