藤井栄二-河野通孝で飛び出した。脇本雄太が番手を奪い返しに行く。が、河野が弾き脇本は浮いてしまう。この瞬間レースの《モード》は一変する。俺の番だ。俺が獲る。古性優作の、佐藤慎太郎の、清水裕友の、目の色が変わった。
昨日「競輪は己の愚考の記憶のゲームでもある」などと記した。
ああ、脇本と別線を選んだときの古性は買わなきゃいけない――五月の富山全プロ競輪の「記憶」である。
競走を終えた九人が敢闘門に引きあげてくる映像を見ていた。
四番車(河野通孝)が、一番車(脇本雄太)に、六番車(鷲田幸司)に、八番車(藤井栄二)に一礼して廻る画が印象的だった。
競りでも脇本が断然の一番人気だった。河野相手なら脚の違いで簡単に片を付けるだろう。大方の予想は、いや私の予想は安易にそれだった。
気になるマーク屋がひとり増えた。は、競輪の楽しみがひとつ増えたと同義であるか。
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