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欠けた月が出ていた

2021/11/14 18:47 閲覧数(447)
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 締切まぎわを報せる音が流れている。
 客がぞろぞろと金網まえにあつまりはじめた。
 夕方の中空に半月より大きいが、いかにも欠けた月が出ていた。
 そのはんぱな月をよこぎるように旅客機が飛んでいった。
 冬の空気は音の伝播がいいのだろうか。川口オートレース場からはこばれたエンジン音に誘われ自宅を出、いま四角附近で優勝戦の発走を待っている。
 場内のスピーカーからの音が消えると同時に競走車のエンジン音が響いた。
 おれが車券の軸にした三番はあきらかにスタート遅れた。こうなるとオートレース素人のおれはなにを見物しているのかわからなくなる。
 日の落ちたおけら街道を――といってもほぼひとりだ――歩いている。
 適度に寒い気温に足がすっすっと動く。真夏のように足にくるような疲労はない。が、汗だくでコンビニのアイスを買い食いしなくちゃどうもね、とないものねだりの気分が起ったりする。
 今日も満更でもなかった。何十回、何百回おもったかわからないけど、なんだか今夕はそうならない。クソみたいな気分は半端なお月様にずっと見られているせいかしら。
 ふと、おもう。もしかしたら、おれはもう、ギャンブルなど好きじゃないのかもしれないな。競輪場の競艇場のオートレース場の門をくぐったとたん、我が家にもどったような安堵はもうおきない。
 それこそおまえ、ないものねだりってもんだろう、彼岸の先輩友人たちの総攻撃がはじまりそうだ。わかった、わかりました、いずれ我が身も――。




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