番手の仕事と言っても一括りにしてはいけなくて、一緒に金網の方までくっついて行っちゃう様なのは論外にしても、ただブロックすればいいというものではない。第一義は、別線の捲りを張って止めて己が一着をとること。次に、先行選手の着を出来るだけひとつでもよくすることである。止めたつもりが止めきれない。かっこうだけの御嬢様ブロック。己が張った選手の加速に己が負ける。要は張った選手に抜かれる。それが一番見ている方は切ない(むろん持っている車券にもよるけど)。息の根を止められなくても相応のダメージを与えられるブロックじゃなくては意味がない。一寸偉そうなもの言いになってしまった。ラフプレイとナイスブロックは紙一重とも言えるし、やはり奥が深い仕事なのだろう番手の仕事というやつは。
その点、今日(高松宮記念杯第四日)の第二レースと第三レースの九番車は申し分なかった。村上博幸も渡部幸訓も、共に名前に「幸」の字を持つだけあって、私を束の間やっぱり競輪はいいなぁという気持にさせてくれた。
附記。張る事も出来ず前に踏む事も出来ないくせに、選手にはうるさいヤカラモノの私であるが、考えてみれば、張るだの踏むだの以前に、六十七年の人生に於いて、番手など廻ったことないのだから、きっと番手というものに人一倍の憧れを持つのだろう。
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