倉茂記念杯決勝戦、Ｓを取った南関ライン、ジャンから鈴木裕選手が突っ張って先行し、上昇した深谷選手を下げさせましたが…

番手の小埜選手の優しさが裏目に出て、平原選手に南関ラインが粉砕されました

小埜選手、私が大好きな選手なので、直接会った時に教育的指導（笑）をするので、敢えてこのコラムで書くことは控えますが…

悔しくて眠れないので、鈴木裕選手が中村道場に入った時のことを書きます。


競輪選手になって半年で、壁にぶつかっていた鈴木裕選手、師匠の紹介で中村浩士選手と、競輪選手を引退した廣島利玄さん（石井秀治選手の師匠）が営んでいる『串もんや利げん』で会いました。

中村『練習来てもいいけどきついぞ、大丈夫か？』
鈴木『はい、大丈夫です。死ななければ大丈夫です！』

鈴木選手はその時の気持ちを『本当に死ななきゃいいと思ってたんで、強くなりたかので。』

対して中村選手は『こいつは凄いなと思って。死ななければいいですと言う人、初めていたなと思って、ちょっと違うぞと…自分のハートに響くものがありました。』

鈴木選手は、17才でキックボクサーとしてプロデビュー…

キャリアは２戦２勝ですが、２戦目で右目を負傷し、視力が低下してボクサーを引退。

生きる目標を失っていた息子を、見かねた父親が競輪選手になることを勧めて、92回生として日本競輪学校に入校しましたが、在校成績は50位。

競輪選手を目指すまでは、自転車競技は全くの素人でしたが、中村道場に入って朝５時からの千葉競輪場でのバンク練習、研究熱心な中村選手の自宅にある『低酸素ルーム』でのモガきをひたすら頑張り…

中村選手からは『（鈴木選手は）しごいてもしごいても、しごき足りないような…絶対に諦めない』と評され、逆に中村選手が刺激を受ける存在になりました。

また、中村道場のメンバーからは『鬼軍曹』と呼ばれ…

2011年７月31日の松戸記念決勝戦、同門の根田選手が突っ張り先行して、初めて記念の決勝戦に進出した鈴木選手、躊躇なく番手発進して、記念初制覇を成し遂げました

重たいギアに対応出来ず、低迷した鈴木選手ですが、倉茂記念杯初日から、3.92のギアは合っているとコメントしていました。

今後の鈴木裕選手の走りに、期待します