「佐々木龍(神奈川・109期)が番手を競り優勝した」とカタカナの電報がわたしの裡(うち)で飛び交った。
今さら佐々木龍のハコ勝負に驚くのは滑稽と言われそうだが、七月にA級に降格してからは、佐々木がもろに別線のハコを攻めたのは今日(八日)の大垣決勝が初めてだと思う。
降級緒戦の別府でいきなり「一着、一着失格、欠場」とやらかし、どうなるものかと見ていたが、その後は特進こそのがしたものの、川崎、玉野、富山と三連覇。やっぱり強かった。が、九戦とも目標のいる番組でもあった(むろん全部ハコ大楽というわけではない)。次走の青森の決勝はめずらしく目標なし、それでも捲りで勝ちきった。続く平塚決勝も自分でやる番組だったが、菅谷隆司(東京)-矢野昌彦(栃木)-高塩譲次(栃木)の二段駆け作戦に屈して五連覇ならず(迫るも三着一杯だった)。
そして今日の大垣となる。別線は柿本大貴(東京)-菅谷隆司(東京)-高橋泰裕(埼玉)-根本雄紀(茨城)のブン回し構成。奇しくも平塚でやられている菅谷が番手にいる。ほうっておけば番手捲りは見え見え、どうする佐々木? ま、ハコ勝負してしまえば簡単だとも思うが、初っ端に食らった失格はけっこうな「足かせ」である。「二度目」は避けねばならぬ。が、勝たねばならぬ。
佐々木が先行態勢をとってスローに落とす。マークは佐藤雅春(宮城)――初日も佐々木マークでワンツーを決めている――、単騎の愛敬博之(愛知)が三番手で様子見だ。四番手から関東ライン、柿本の「それ行くぞ、それ行くぞ」というフェイントにも佐々木は動ぜず、徐々に微妙に絶妙にピッチを上げてゆく。柿本は鐘四角からのカマシ、佐々木も併せる。見ようによっては先行争い、片や誘って飛び付きにも見えた。出られたからやったのか、最初から番手の予定だったのか。ともかく、久しぶりに佐々木の番手勝負を見て、妙にうれしく、なぜかほっとした。
追記。小倉FⅠは浅井康太の優勝。正攻法からのイン粘りはまるまる一周半の競りと化し、十回におよぶ頭突きで井上昌己を退かしてしまった。
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