ここまで来ると、ここまで負けないと、もしかしてこの先もずうっと負けないのではないか。さすがにそりゃないが、準決の中野慎詞の完勝劇には背筋がそろりと寒くなった。
一度前に出て中野を待った吉田拓矢は完敗だった。全開加速の中野に飛び付くのは至難であることが明白となり、イン粘りを策すなら、中野ラインの前に位置して併せるしか手はなさそうだ。むろん九人でやる競輪だからなかなか簡単には行かないし、又そうなったとしても中野が冷静なら良策が一点愚策と化す危険性もあり……。
【青森記念競輪決勝】ここまで来ると、ここまで負けないと、いったい中野慎司が敗れるときは、どういった負け方をするのだろう、二着なのか三着なのか一気に着外なのか……。書きつけながら、暗いなあ私は、とつくづく思う。
気持ちは中野慎詞「一番」の単勝だけど、売ってない。Kさんに買ってきてもらった、仏国ロンシャン競馬場で凱旋門賞を走ったディープインパクトの単勝馬券と並べ飾るのも乙である。
自力-自力と並んだ地元をあからさまに分断なる画を滅多に見なくなった。ただ中野慎詞の番手なら話は別という考えも浮かぶ。しかしそれをやっては自分がない、猫の首に鈴を付ける役は勘弁願いたい、それが「相場」とも思い及ぶ。
展開絶好に新山響平、断然格上は郡司浩平、その郡司を今節二度抜いている和田真久留、昨日みたいな競輪ができるなら清水裕友、しゃにむに吉田拓矢……。うーん、泣きそうになるくらい何も降りて来ない。
唐突だが、♪雨が空から降れば、思い出は地面にしみ込む、雨がシトシト降れば、思い出はシトシトにじむ、と小室等が唄っている。
新しいことは次から次へ忘れ、定着しているつもりだった古い記憶も怪しくなる今日この頃だが、新山響平が逃げ切るかに、吉田拓矢が中バンクを突き抜けた去年の競輪祭は思い出すことができる。うん? もしかして。成績を調べた。やっぱりそうだ。ビンゴ! 優勝した吉田が七番車で二着の新山が五番車、今回とまるで同じ車番である。
降りて来ました。⑤⑦と⑦⑤の二車単を買います。
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