大垣記念第三日の五レースは、本線の仲野結音-稲毛健太がきれいに捲り、あとは抜くだけと思いきや、番手の稲毛は仲野との車間を切りながら、左内、後方、右外と丹念に目で警戒しているうちに差しはぐれた。常々申している通り、競輪は失敗をする競技、思った様に、考えた通りに運べないゲームであるから、仕方ない。所謂裏目は2720円ついた。因みに抜いても690円だから一本被りというわけでもなかった。でも今日の展開で690円を持っていた人は一寸がっかりだ。もちろんガマンの車券で儲けた人も沢山いる事だろう。こりゃラッキーと密やかによろこんだ人。どんな展開でも稲毛の技量だと抜きはぐる可能性ありだから、と胸を張る人。それが競輪の面白さというか、広さ、深さでもある。
ランチタイムの差しっぱぐれに感情を乱しなどしたら、大事な後半の車券に差し障る。とは思うものの、かなりカチンと来た。「あーあ」と嘆いた。そりゃなかろうよ。今日は(も)駄目だな。準決まで休もうかしら。気が塞ぎ気味になったその時だ。テレビ中継の解説両氏が、私の憤りを代弁してくれる様な評価を口にした。強張っていた軀がやわらぎ、私を六レースに戻る気にさせてくれた。
初期の吉田拓郎に『準ちゃんが吉田拓郎に与えた偉大なる影響』なるタイトルの歌があったが、今日の件を「両氏のささやかな共感が私に与えた多大なる影響」とでも記しておこう。
【大垣GⅢ】FⅠの準決みたいな顔ぶれのGⅢの準決でも、やっぱり九車の闘いはそれなりに面白いのだけど、まァ笑っちゃうくらい荒れた。十八番の独善のストーリィも浮かばない。あえて言えば最終の配当。枠単の六-一は三千円丁度、車単の八-一が三万円ぽっきりという数字に、隠された「サイン」を嗅ぎ取ろうとも思うが、そりゃ邪道だろう。
三千円、三万円、決勝の三番車は片岡迪之。そういえば初日、浜口高彰氏が、片岡はダービーの出場権を得るために賞金を上積みしたい。正確には覚えていないがそんな報告をバンクから送っていた。氏の顔を見ながらふっと苦い記憶がよみがえる。あれは二十数年前、宇都宮の大レースの勝ちあがりだ。浜口が別線の競りを凌いだのだったか、番手の仕事しっかりだったのか、ともかくズブリ差してきれいな中部ワンツー! と思いきや赤旗の対象だと言う。落車もなかったし大丈夫だろうと高をくくっていたが、いやに審議が長い。痺れる時間を強いられた挙げ句に一着失格の裁定が下った。泣くわけにいかないから机をぶっ叩いた記憶がある。
たしかに毎日賞金がほしいーという競輪をしている様に見える、片岡は。
片岡の父君は片岡克己(岡山・四二期)。片岡父の捲り一発、よく買ったなあ。
出来ました。片岡迪之の頭から。ただ阿部大樹にぴったり付いてこられるようじゃ優勝などおぼつかない、と考えて筋車券は敬遠、③①、③②、③⑤、③⑦の二車単を買います。
ブログ
最近のブログ
- アタックNo.1~競輪ダービー初日、第二日 2024/05/01 18:05
- キョウイクとキョウヨウ~競輪ダービー開幕 2024/04/29 21:15
- 確変がとまらない阿部将大~別府ナイターFⅠ観戦記 2024/04/24 8:17
- 実にスマート~西武園記念決勝観戦記 2024/04/23 18:15
- 車窓から見える運動場~西武園記念競輪決勝 2024/04/22 18:34