ついさっき終わった取手FⅠ最終日、第七競走は実に粋な番組であった。先行一車の真船圭一郎に神山雄一郎-飯嶋則之の師弟両者、単騎の紫原政文は神山と同期生、別線はあっても捲りか精々という感じの巴直也に小菅誠で南関両者だから、言ってみれば完璧な「神山番組」だった。赤板では動きなし。打鐘前に叩きに行った巴を真船がしっかり突っぱっる。ああ、このまま一本棒だな。ズブズブズブまで行かないかしら? 助平根性まるだしで見ていた。しかし。なんと。最終二角すぎから緑色が捲っている。六番車。神山と同期の紫原だ。いい加速だった。神山が止めに行く。同期が同期をブロック。「粋な番組」もここまでのドラマは想定していなかっただろう。
神山の九百九勝めは、きれいな師弟ワンツー、というより、かっこいい、競輪らしい競輪で、本命の任をまっとうする一番人気決着だった。
神山雄一郎にはたくさんの想い出がある。優勝も惜敗も。一着も二着も三着も。しかし今日の一勝も忘れられない一勝となった。最優秀助演賞と評せば失礼にあたるだろうけど、紫原政文の競輪も見事であった。
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