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五番-七番のスプリットと、車券と――。

2021/04/21 22:28 閲覧数(518)
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 緊急事態宣言発出もやむなしと政治家が喋り、しかつめ顔のワイドショーの解説者からはどっちつかずのコメントが出、ほとんどなぞったように街角の男女がインタビューにこたえていた。
 緊急事態宣言で遊園地はどうなる、百貨店は開けるか締めるか、さてボウリング場はどうでしょうという流れで、都内のボウリング・センターの映像に切り替わった。マスクをしてプレーする客のインタビューにつづき、丁寧に撮られたゲームの画が二投分流れた。一投はサウスポーのカーブボールがジャスト・ポケットでストライク、二投目はなんと「五番-七番」のスプリットを右投げのナイス・セーブだった。まさか偶然の二つではあるまい。何十本も撮ったうちの二景だとおもうと、あざとくも粋な編集にニヤリとしてしまう私だ。
 同局の報道番組ではおなじ映像が二回か三回使われ、見る度に私は妙に嬉しくなり、当然「五と七」の数字が消えずに頭に残り、ついには今晩(四月二十一日)の四日市FⅠ、最終競走、⑤菅田壱道-⑦山崎芳仁の二車単四千円余を一本で当ててしまった。というのは嘘八百です。
 若い頃、五番-七番のスプリットを見事か偶然に取って興奮したのは小金井のボウリング場だったか、武蔵境の「境ボウル」だったか。五番ピンに薄目に当て七番ピンに飛ばす――。場面を薄らと憶えている気がするのは、おそらく今日見たテレビ映像のせいにちがいない。
 突然フッと立川のボウリング場で遊んだのを想い出した。立川競輪の仕事を終え、数人で一杯やったあと、おふざけでやったのだが、仲間の内に新潟から出張していたI女史がいたのを忘れないでいる。
 女史が天国に旅立ってから何年が経つのだろう。偲ぶようにIさんの顔を目の内に浮かべようとするが、像がうまく繋がらず胸苦しくなる夜、声域の低いほうで喋るI女史の声が聞こえてきそうだ。

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