八王子から京王閣競輪場まで自転車を漕いで、五百円だか八百円分の車券を買ってはずれてそのまま又自転車で帰ったことがあるが(途中の児童公園の水飲み場で飲んだ水は美味かったァ――)只暇だったからで、普段ギャンブルの際に電車賃まで打ってしまい徒歩で帰ったという経験はほとんどない。幾人かの競輪決死隊と交友した過去はあるが、俺は奴らに及びもつかない半端ものだった。金額の多寡がギャンブラーの証ではないかもしれないが、俺の生涯一番の払い戻しなど自慢出来る金子ではない。唯一、冗談口で自慢出来るとしたら、枠単の時代の九車立の競輪の◎○を二千円一本で買って的中させ二千円の払い戻しを受けたことだ。不成立に依る返還などではない。そう、「一倍」の車券を当てたのである。
貴殿は百円の九車立枠単車券をとったことがあるかい――? と記せば愈愈馬鹿にされるだけだろう。
オッズ表示があったのかなかったのかはっきりしないが、特券(千円券)売場で穴場の投票数だか何だかを覗き見ながら、いかにも堅気には見えない男が百二十円あるかないか!――などと野太い声で誰かに伝えていた記憶が甦る。
〽どんな気がする/どんな気がする/ひとりぼっちで/かえりみちのないことは/ぜんぜん知られぬ/ころがる石のようなことは――とディランが『ライク・ア・ローリング・ストーン』で唄っている。
百円の車券をとってしまった俺は更に競輪に淫したのだった。
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