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2021立川記念決勝後記 平原康多

2021/01/08 10:08 閲覧数(10558)
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新年あけましておめでとうございます。

2021年、最初のGⅢは平原康多(87期・埼玉)の優勝で幕を閉じました。
昨年のKEIRINGP2020の後の大事な立川GⅢ優勝で、少しは気が晴れたのではないでしょうか。

勝利の分かれ目は、私は打鐘だったと思います。
目標にした鈴木庸之(92期・新潟)が打鐘で車体故障。
ここで平原は、ちゅうちょすることなく清水裕友(105期・山口)―桑原大志(80期・山口)の後ろにスイッチしました。

簡単そうに見える動きですが、決勝の平原は鈴木庸に目標を絞ってレースを考えているので、打鐘で消えるのは想定外の出来事です。
そのとっさの判断が、コンマ何秒ではなかなかできないものです。
アクシデントがあって「あ、いなくなった…」と少し考えたら、外の郡司浩平(99期・神奈川)に入られた可能性もあったと思います。

これと同じようなことが2011年の名古屋・日本選手権決勝戦でもありました。
先頭を走るのが市田佳寿浩(福井・引退)。
番手は村上義弘(京都・73期)―ヤマコウ。

このレースは、残り2周で市田が長塚智広(茨城・引退)に当たられて落車しました。
突然の出来事で私は「???」でした。
それは前を走る村上もそうでした。

市田が転んで避けた瞬間、前の村上が一瞬迷ったのを感じました。
そして、瞬時に内側に潜り込んで先行する鈴木謙太郎(90期・当時福島)の3番手を確保しました。
時間にして、0.何秒の判断でした。
「自分にはこの判断はできただろうか…」
そう思いながら追走しました。
村上はバックでまくって優勝。
それは追走して惚れ惚れしました。

不意のアクシデントでも、瞬時に判断して動く。
思い通りにレースが動かないことがほとんどです。
その中で瞬時、瞬時に考えて判断する大切さ。
考えることを放棄すればこのセンスは磨かれないと思います。

今回の平原の動きは、その時の村上を彷彿させる動きでした。
頭を切り替えて清水の3番手に潜り込む。
内に入れないと判断した郡司は、先行策に打って出ます。
平原は最終ホーム6番手になりました。
2角から清水が仕掛ける前にまくり、バックで清水を越えて優勝。
もちろん強かったから優勝したのですが、打鐘の素早い動きはさすがでした。

彼は平塚グランプリで脇本雄太(94期・福井)の番手を回りながら、
4角から清水を止めに行き、和田健太郎(87期・千葉)に優勝をさらわれました。
この判断には賛否両論あると思います。
「GPを優勝するために脇本の番手を回ったのに何で前に踏まない!」
と言う声や
「番手を回る以上、先行する選手をかばう平原はさすがだ!」
など意見は別れました。

私はどちらの意見も間違ってないと思います。
走る選手に夢を賭けて車券を買い、結果も個人の価値観でふり返ることができる。
これが競輪の魅力でもあると思うのです。

レース後、清水を止めに行ったことを聞くと
「これが人間性だから仕方ない。生き方は変えられませんでした」
とだけ答えてくれました。

これを聞いてみなさんはどう感じるでしょうか…。
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コメント(1)

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もっさ

自分も含め競輪ファンは、当たれば、よくやった!ハズレれば、何やってんだ!と、その程度だと思います。
そして、次の日からまた、せっせと文句をたれながら、車券購入に励みます(笑)
今回のブログは、選手の気持ち、人間性など、とても参考になる内容でした。
また、よろしくお願いいたします。あと、息子さん強いっすね。

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