たとえ競輪開催ゼロの昼間でもスピード・チャンネルを点けていることが多い。アーカイブス風の大レース回顧番組を見ていると時折、あまりに痛烈なブロックに驚いてしまうことがある。あの当時はあたりまえだったのか、当時でも稀有の凄まじさなのかは判断つきかねるが、金網まで持って行く・芝生まで叩きこむ競輪がどこまでもオーケーではなくとも、ある程度の範囲の“荒さ”が許されていた時代なのだろう。
一昨日(四月十八日)は昼一場・夜一場の各独占開催。静岡競輪と玉野競輪からすれば期せずして“稼ぎどき”となったわけだが、この縮減された開催数こそ近い将来の競輪興行のモデルなのかもしれない、と寂しくなった。
その日の玉野の第四競走の出来事。甲斐康昭(群馬89期)が内側のコースを“こっそり”と上がり、松尾大樹(長崎87期)の内懐に“潜ろう”とすると、それこそアッという間に、まるで“着火”したがごとく、松尾は甲斐を芝生の附近まで厳しく押しこんだ(結果は三着失格)。劇画『ゴルゴ13』のデューク東郷は己の背後に他人が立つことを極端に嫌い、時には問答無用で打撃をくわえるのだが、松尾の競りもゴルゴばりの“寄らば斬る”であった。
俺のヨコに来ると怖いぜ――! 生粋のマーク屋がひしめく競輪の時代は確かに在った。
テレビ画面に時々映る海景がいつにも増して美眺である。
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