平塚記念の初日、第八レースは、二車単が二万三千余で三連単は三十二万台と大きく荒れた。大穴の立役者は板垣昴(北海道・115期)、捲りぶっちぎりだった。時計も十一秒三となかなかだけど、それよりなにより、気持ちのいいほどドンピシャの捲りだった。
お客さん、ね、今の見たでしょう。やっぱり競輪は加速のゲーム。逃げている上野雅彦(香川・119期)がタレ気味のところに板垣昴の違う加速、だからきれーいに捲ってしまう。
むかしよく聞いていた立川と京王閣に台を持つ予想屋さんの得意気な講釈が聞こえてきそうだ。
テレビ画面の映像だけでも、板垣のえも言われぬ昂揚と言おうか、快感に浸るような表情や仕草が見てとれた。
性にも優る快感をもたらひと捲り――下卑助の私はそんなフレーズを頭の中でつぶやいた。
エイヤと板垣昴の頭で流していたひとも恍惚状態になったことだろう。
明日からも板垣は軽視禁物? いやいや、今日でお腹いっぱいとは言わないけど、ドンピシャが二日つづけてやってくるほど記念競輪は甘くない。
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