昨日(六日)の準決で六番手不発の北井佑季-和田健太郎が今日(七日)の敗者戦でまた一緒と知った時から、和田から北井が残らない車券を買おう、と決意した。意志をきめたは大仰か、ただの、いつもの、生硬の思い込みである。
京王閣競輪最終日、第十レース。赤板から北井-和田が飛び出し、打鐘~終審~終一角まで一本棒、終向手前の三番手から蕗澤鴻太朗が、五番手から酒井雄多が捲り仕掛けた。(ちょこんと振って思いっきり踏んじゃっていいぞ、和田ぁ!)は俺の心の声。が、和田はしっかり、ていねいに、且つかっこよく蕗沢を止めにゆく(真後ろからの捲りに対処するブロックは相当な技術を要する)。若干前との車間が空いたところを今度は岡田征陽がすくった。それを締め込む和田がこれまたかっこよかった。
ゴールは逃げ粘る北井を和田が四分の一車輪抜いてきれいなワンツー、二車単260円の一番人気だった。
和田の技、北井の力、そして両者の心意気――。
生硬な思い込みをぶっこわされた俺だが、――負け惜しみなんかじゃなく――気分は爽快である。
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