昨夕(六月三十日)の川崎競輪第四競走は、前評判の高い(在所成績五十一位も競走訓練で残した先行回数圧巻)ルーキー新村穣が楽勝の逃げ切りでプロ・デビューを飾り、並んだままの筋二着三着は二車単三連単とも一番人気だった。というか、約一周半ずうっと七人全員一本棒と記したほうが正確に伝わるかもしれない。
着差は一着と二着が一車身二分の一、以下二分の一車身、四分の三車身、一車身二分の一、一車身二分の一、二車身で、負けた六人は皆前を抜くどころか詰めることも叶わず。「逃げ・マーク・マーク・マーク・マーク・マーク・マーク」できまったと記せば嫌味になるか。
よくいわれる。――競艇はスタート時に最も僅差で徐々に水が空いてゆくゲーム、――競輪はどちらかといえば逆で、ゴールにむかって差が縮まるゲームだと。ま、競輪にもいろいろあるけれど、最初から最後まで水が空いている態の競輪は……今じゃ珍しくもないかァ。
下手に動いたら七着を喰らうから黙ってじっとしていた。とは口がさけてもいわないだろうが、気持はわかる。
ガールズケイリンのコメント常套句である「取れた位置から」。それを彷彿とさせるような男子の競輪も嫌いじゃない。
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