〽京都にいるときゃ/忍と呼ばれたの/神戸じゃ渚と名乗ったの――、の歌詞は地方地方で源氏名を変えるホステスを唄ったものだが、競輪選手はほとんどの場合(婚姻等で姓が変わったりする以外)、あたりまえだが、デビューから引退までおなじ姓名で走りつづける。回りくどい文章になったが要は、上層でもぶっ放しで強かった時とおなじ名前が下層で細々走っているということだ。
新しい物に反応にしにくくなったのは何歳ごろからだろう。
むろん生活家電などはそれなりに最新型を使ったりもするが、音楽などはてきめんである。それでも無理して流行りの音を買ったり聴いたりすることもあるが、ほう、けっこういいンじゃない――も一週間ぐらいしかもたない。最近は古い物の買い直しや更に時代をさかのぼる音ばかり探している有様である。
競輪もたまに、おぉ懐かしい、某はこんなとこで走っているのか。
熱心に全国の番組をくまなくチェックしているわけじゃないから、たまさかに出くわすとつい買ってしまう。昔の名前で走ってはいるが、昔の面影(脚は)皆無であること多々だけど、それはそれでいい。そういう愚行はギャンブルが駄目になる? 今さら駄目になりようがないから大丈夫です。
本日(六月二十八日)の大垣ミットナイト競輪に石丸寛之(岡山・76期)の名前がある。往年の捲りのスペシャリストが単騎だと知り、ちょいと寂しい気分になる。奴の捲りは凄かった。且つ容姿も端麗だった(ぜんぶ過去形では失礼だね、ゴメンナサイ)。
そりゃ日々あらわれるスター選手の競輪を見ないわけにはいかないが、昔の名前ばかり追って一緒に引退してゆく道も満更じゃなかろうよ。
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